環境省は、「（仮称）新浜田ウィンドファーム発電事業環境影響評価準備書」（株式会社グリーンパワーインベストメント）に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。
環境大臣意見では、
（１）国内希少種に指定されているクマタカの営巣及び繁殖並びに国内希少種に指定されているイワミサンショウウオ等の重要な両生類等の生息が確認されていることから、環境保全措置を適切に講ずること
（２）改変区域と保護林の指定範囲が近接していることから、風況や日照等の気象環境が変化することによる保護林の機能への影響について予測及び評価を行い、検討結果を評価書に適切に記載すること
（３）関係機関と調査対象、調査内容、調査期間等を調整した上で、改変後の樹林の状況を適切に環境監視し、その結果を適切な方法で公表することで透明性を確保すること
等を求めている。
【背 景】
環境影響評価法及び電気事業法は、出力50,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を第一種事業とし、経済産業大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書※１の審査に当たって、環境大臣の意見を聴かなければならないこととされている。
本件は、「（仮称）新浜田ウィンドファーム発電事業環境影響評価準備書」について、この手続に沿って経済産業大臣に対して意見を提出するものである。
今後、事業者は、環境大臣の意見及び関係地方公共団体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告等を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続が求められる。
※１ 環境影響評価準備書：環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測、評価及び環境保全措置の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。
【事業の概要】
島根県浜田市及び益田市において、最大で出力56,000kWの風力発電所を設置する事業。
・ 事業者 株式会社グリーンパワーインベストメント
・ 事業位置 島根県浜田市及び益田市（対象事業実施区域面積 約344ha）
・ 出力 最大56,000kW（単機出力 4,200kW級×14基）
【環境大臣意見】
別紙１のとおり。なお、環境大臣意見の形成に当たって、別紙２のとおり、環境影響審査助言委員から意見を聴取した。
（参考）環境影響評価に係る手続
【配慮書の手続】
・ 公表 平成30年７月 ４日 ～ 平成30年８月20日（住民意見59件※２）
・ 島根県知事意見提出 平成30年９月25日
・ 広島県知事意見提出 平成30年９月27日
・ 環境大臣意見提出 平成30年９月14日
・ 経済産業大臣意見提出 平成30年10月１日
【方法書の手続】
・ 縦覧 平成30年12月７日～ 平成31年 １月28日（住民意見127件※２）
・ 島根県知事意見提出 令和元年 ６月 ４日
・ 広島県知事意見提出 令和元年 ５月29日
・ 経済産業大臣勧告 令和元年 ６月26日
【準備書の手続】
・ 縦覧 令和５年 １月11日 ～ 令和５年 ２月13日（住民意見219件※２）
・ 島根県知事意見提出 令和５年 ８月17日
・ 広島県知事意見提出 令和５年 ８月17日
・ 環境大臣意見提出 令和５年 ８月25日
※２ 環境の保全の見地からの意見の件数
【添付資料】
別紙１：「（仮称）新浜田ウィンドファーム発電事業環境影響評価準備書」に対する環境大臣意見
別紙２：関係委員意見聴取書面
【連絡先】
環境省大臣官房環境影響評価課環境影響審査室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8237