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環境省

環境省では、海洋表層に漂流するマイクロプラスチックについて、世界中の研究者や機関、政府等から提供されたモニタリングデータを収集し、プラスチック分布や調査地点等の2次元地図と併せて提供するデータベース「Atlas of Ocean Microplastic(通称:AOMI)」を公表しました。

本データベースに格納されるデータは、環境省が2019年に国際的な議論のもととりまとめた「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」にのっとった比較可能なデータとして登録されることで、データの付加価値向上や、更なるモニタリングデータの収集につながり、世界のマイクロプラスチックの実態把握に向けた研究ネットワークの構築に貢献します。

また、オープンデータとして、比較可能なデータと理解しやすい2次元マップを提供することで、政策決定者や研究者、市民等の様々な利用者への貢献が期待されます。

今後は、本データベースを通じた更なるモニタリングデータの収集及びデータの利活用を促進し、効果的なプラスチック汚染対策の推進に貢献してまいります。

【AOMI webサイト】
データベースについては以下のURLより御参照ください。
> https://aomi.env.go.jp/

■ 背景

 プラスチック汚染は世界的な課題となっています。地球規模でプラスチックごみを削減していくためには、海洋プラスチックごみの分布状況などの科学的な知見を世界各国で共有することが必要です。これまで、海洋表層に漂流するマイクロプラスチックの実態調査は、調査の目的に応じて異なる調査手法がとられていたため、データの比較が困難でした。そのため、モニタリング手法の調和(モニタリング結果のデータを比較可能にすること)が重要な課題として認識されていました。
 平成27年のG7エルマウサミットにおいて、モニタリング手法の調和と標準化が優先的な施策として挙げられ、サミットのフォローアップとして開催された国際ワークショップにて、日本が漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法の調和等をリードすることが合意されました。
 これらを踏まえ、環境省ではサンプリングと分析の手法を比較する実証事業を実施し、国内外の専門家による国際専門家会合での議論を経て、令和元年5月に「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」(Guidelines for Harmonizing Ocean Surface Microplastic Monitoring Methods。以下「ガイドライン」という。) の初版を公開しました。
 調和ガイドラインにのっとることで、漂流マイクロプラスチックの調査データを比較することが可能になりましたが、世界中のモニタリングデータは、いまだ比較可能な状態では整理されていません。そこで、環境省は令和2年9月に「海洋プラスチックごみのモニタリング手法調和とデータ整備に関するG20ワークショップ」を開催し、日本が新たな世界的モニタリングデータ共有システムを提案しました。
 今般、環境省では、海洋マイクロプラスチックのモニタリング手法の調和に関する国際専門家会合を開催し、専門家の意見を踏まえながら、海洋プラスチックごみのマッピングデータベース「Atlas of Ocean Microplastic(通称:AOMI)」を公表しました。本データベースでは、世界中の研究者や機関、政府から海洋表層マイクロプラスチック※のモニタリングデータを収集するとともに、粒子密度分布や調査地点等の2次元地図を提供します。
※ 本データベースでは、約330マイクロメートル以上のプラスチックのデータを対象としています。

■ AOMIの概要

 AOMIでは、世界中の機関や研究者、政府から提供された海洋表層マイクロプラスチックのモニタリングデータを収集します。提供されたデータは、エラーチェック等のクオリティコントロールが行われた後、環境省が公表した「漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン」にのっとった比較可能なデータとして格納されます。格納されたデータは、データを元に作成された2次元マップとともに、オープンデータとして提供されます。
 AOMIで提供される2次元マップと図は以下のとおりです。
(a)  調査地点分布図:モニタリングが行われた地点
(b)  調査密度分布図:一定の区域において行われたモニタリングの頻度
(c)  調査数変化図:一定の区域において行われたモニタリングの回数変化
(d)  粒子密度分布図:一定の区域におけるマイクロプラスチック粒子密度
(e)  粒子密度変化図:一定の区域におけるマイクロプラスチック粒子密度の変化

■ 期待される効果

モニタリングデータが不足している地域が明確になることによる、今後、データが不足している地域におけるモニタリングの実施促進

環境中プラスチック濃度の経年変化が明らかになることによる、プラスチック汚染対策における効果の確認ツールとしての活用

プラスチックのリスク評価等の基礎データとして、将来的なプラスチックに関する研究や評価への活用

環境中のプラスチック分布について分かりやすい情報として広く提供することによる、海洋プラスチック汚染問題の認知度や問題に対する理解の向上

■ データのダウンロード・提供に関する問い合わせ先

データのダウンロードや提供方法については、以下のメールアドレスまで御連絡ください。
E-mail:aomi-contact#env.go.jp
(”#”を”@”に置き換えて送信ください。)

<参考>

・ 海洋プラスチックごみのモニタリング手法調和とデータ整備(環境省ホームページ)
・ 漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法調和ガイドライン

連絡先

環境省水・大気環境局海洋環境課
代表03-3581-3351
直通03-5521-8304
水・大気環境局海洋環境課 海洋プラスチック汚染対策室
代表03-3581-3351
直通03-6205-4934

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お問い合わせ先
環境省水・大気環境局海洋環境課
電話番号
03-5521-8304
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