かき養殖が盛んな広島県では、かきのむき身加工においてかき殻が大量に発生します。これまでかき殻は、農業用の肥料や養鶏用の飼料として有効利用されていましたが、近年、鳥インフルエンザの発生や農業用資材の価格高騰により、かき殻の利用量が減少傾向にあります。本県のかき養殖業にとって、かき殻対策は喫緊の課題となっており、かき殻の積極的な再利用や新たな用途の拡大を推進していく必要があります。
広島県では、かき殻の処理についてルールを策定し、環境、海上交通への影響などに配慮してかき殻の処理を行っています。このホームページでは、本県のかき殻の処理の流れや利活用についてとりまとめましたので、今後、事業や製品にかき殻を利活用したいという方は是非ご参考にしてください。
※かき殻を地中や水中に入れて利活用を行う場合は、ルールに則って適正に処理することが必要です。
「かき殻」について
広島県内で養殖されたかきは、カキフライなどに加工しやすい「むき身」での出荷が大半を占めています。いわゆる「かき打ち」として知られるむき身加工は、各生産者の作業場で行われており、県内の作業場で発生するかき殻は、県全体で年間20万m³程度と推計されています。
かき殻の処理と利活用
かき殻は、広島県では次のように処理されます。
かき打ち後のかき殻には、付着生物などの有機物が付着しており、それらを除去するために、かき養殖業者・かき殻加工業者が海中の堆積場に運搬し、海中で3ヶ月以上保管されます。
その後、かき殻加工業者によって、かき殻は製品原材料として回収(運搬・陸揚)され、県内の工場に運ばれた後、破砕・乾燥などの工程を経て、肥料や飼料として販売されます。
かき殻の新たな利活用が実施・期待されている分野
かき殻の新しい用途を拡大するために、かき殻を原料とした水稲用肥料の製品化や、かき殻製品を使った干潟の水質改善などの取り組みが進められています。
また、かき殻の主成分が石灰石と同じ炭酸カルシウム(CaCO₃)であることから、今後は石灰石が多く使用されている建設業、製造業などの幅広い分野において、循環型社会の実現に向けた新たな利活用も期待されています。
※かき殻製品やかき殻の利活用について興味のある方は水産課までお問い合わせください。