『気候変動』ってなんだろう??
気温および気象パターンの長期的な変化のことを指します。
<気候変動とは>
通常は数十年かそれよりも長い期間持続する、
気温および気象パターンの長期的な状態の変化なのですが…
大変なことに!!
人間活動が原因となる「地球温暖化」が気候変動を引き起こしています。
<地球温暖化とは>
人間活動に起因して大気中に放出されるGHG=温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等)によって、地球が暖められる現象 のこと。
1800年代の産業革命以降は、化石燃料(石油や石炭など)を燃焼させてエネルギーを得て、便利で快適な生活を送ってきたことで、平均気温が1.1℃も上昇して、人間活動が原因となる「地球温暖化」が気候変動を引き起こしています。
その結果、大気中の温室効果ガス(CO2など)の濃度がだんだん上昇し、産業革命以前に比べると40%も増加して温室効果が強くなり、今も着実に地上の平均気温が上昇し続けています。
現時点においても、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつなど自然災害の影響、陸上や海の生態系への影響、食料生産への影響や健康被害など人間への影響が観測されていますが…
このまま有効な温暖化対策をとらなかった場合、21世紀末(~2100年)の世界の平均気温は、20世紀末頃(~2005年)と比べて、2.6~4.8℃上昇、厳しい温暖化対策をとった場合でも0.3~1.7℃上昇し、さらに、平均海面水位は、最大82cm上昇する可能性が高いと予測されています。
出典:IPCC第5次評価報告書 統合報告書 政策決定者向け要約 図SPM.1(a)より環境省作成
毎年のように起こる豪雨災害や森林火災、竜巻、巨大台風、大地震など、もはや他人ごとではありません。
「!!!ヤバイ!!!」
『気候変動』の原因って?
自然現象自然による『気候変動』
・太陽周期の変化などによるもの
自然による気候変動は、太陽の活動変化や海洋の変動、火山が噴火したときに発生するエーロゾルの増加などが原因になっています
このなかでも影響力が高いのが「海洋の変動」で、地球の表面を70%ほど占めている海洋は、熱や水蒸気を大気と交換しているため、気候に大きな影響を与えています
人為的要因による気候変動
・1800年代以降の人間活動による化石燃料の燃焼によるもの
私たち人間の活動による、化石燃料(石炭、石油、ガスなど)の燃焼に伴う空気中の「温室効果ガス」の増加が主な原因です
森林伐採・焼失などによる「森林破壊」なども影響を与えています
「温室効果ガス」と呼ばれる気体には、二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロンガスなどがあって、これらは地表を暖める性質があります
化石燃料を燃やすと、この「温室効果ガス」が発生して地球を覆ってしまい、まるで温室のように太陽の熱を閉じ込めしまうため、地球上の気温が上昇します
この気温の高い状態が長期化すると、やがて気象パターンが変化し、自然界の平常のバランスが崩れてきます
「二酸化炭素」の主な排出源は…
・自然起源:主に陸上生物圏の活動による季節変動
・ 夏季:植物の光合成が活発化し、二酸化炭素が吸収され大気中濃度が減少
・ 冬季:植物の呼吸や土壌有機物の分解が優勢となり、二酸化炭素が放出され
・ 大気中の濃度が上昇
・人為起源:化石燃料の燃焼、セメント生産が81~91%
・ 森林破壊などの土地利用
・ (森林減少、劣化、耕作放棄後の再生、泥炭の排水など)
「メタン」の主な排出源は…
・自然起源:湿地やシロアリなど(40%)
・人為起源:エネルギー、工業、輸送、建物、農業、畜産、稲作、化石燃料採掘
、 ごみの埋め立て、バイオマス燃焼など(60%)
気候変動の影響
今のままの生活を続けていくと、今世紀末までに地球温暖化は最大3.2℃に及ぶ可能性があります。そして、気温が高い状態が長期化すると、気候のパターンが変化し、通常の自然界のバランスが崩れます。
気候変動は、私たちの健康や食料生産能力、住まい、安全、そして仕事に影響を及ぼす可能性があります。これにより、人間と地球上の他のすべての生命体が多くのリスクにさらされます。
● 気温の上昇:暑さに関連する病気の増加、屋外行動の制限、山火事の発生
● 嵐の被害の増大:蒸発する水分を増加させ、海面の温水により台風は勢力を増す
● 干ばつの増加:以前から水資源が不足している地域はさらに悪化し砂漠化
● 海の温暖化と海面の上昇:海水の体積が増加し、氷床が溶けることで海面は上昇
● 生物種の喪失:森林火災、異常気象、侵入性の害虫や病気により生物絶滅の危機
● 食料不足:異常気象により牧畜、狩猟、漁業等が打撃をうけ食料供給が困難に
● 健康リスクの増大:環境汚染、災害、病気などストレスによる死者増加
● 貧困と強制移住:気象関連の災害による被害で移住難民に
今後、「気候難民」の数が増加すると予想されています。
SDGsの13番目のゴール「気候変動に具体的な対策を」
どうすればいいの??
「今私たちができることってあるの??」
※ IPCCのAR4では、「適応策」と「緩和策」のどちらも、その一方だけではすべての気候変動の影響を防ぐことができないけれど、互いに補完しあえば、気候変動のリスクを大きく低減することが可能であり、確信度も高いとされています。
緩和策:温室効果ガスの排出抑制と吸収の対策を行う
・(省エネや再生可能エネルギー、ブルーカーボンなど植物によるCO2の吸収源対策など)
適応策:自然や人間社会のあり方を調整する
・(防災対策や熱中症アラートなどの早期警告、インフラ整備など)
緩和策と適応策に、地球上の生命の未来がかかっていると言っても過言ではない状況です。
今すぐアクションを起こさなければ!!!
気候変動の緩和
原因物質である「温室効果ガス」の排出量を削減する
(または植林などによって吸収量を増加させる)
企業の経済活動の変革による対策だけではなく、自分事として人類一人ひとりが生活を見直して、住み続けられる地球の未来のために、早急な対策をしなければなりません。
~個人でできる10の行動~
♡ 家庭で節電する
♡ 徒歩や自転車で移動する、または公共交通機関を利用する
♡ 野菜をもっと多く食べる
♡ 長距離の移動手段を考える
♡ 廃棄食品を減らす
♡ リデュース、リユース、リペア、リサイクル
♡ 家庭のエネルギー源をかえる
♡ 電気自動車にのりかえる
♡ 環境に配慮した製品を選ぶ
♡ 声を上げる
国連本部の「思い立ったが吉日」今すぐ行動 Act Now
> https://www.un.org/en/actnow/
気候変動の適応
自然生態系や社会・経済システムを調整することによって、気候変動の悪影響を軽減すること
(または気候変動による影響を有効に活用する)
★ 熱中症を予防するため、直射日光を避ける
★ こまめな水分補給、エアコンの適切な使用
★ 防災グッズの備えをする
★ ハザードマップを見て、災害時の避難場所を確認しておく
★ 天気予報や防災アプリを活用する
★ 斜面の保護や地滑りを防ぐための工事を行う
★ 河川の氾らんを防ぐための工事を行う
★ 気温の変化に強い農作物にするための品種改良を行う など
「日本の気候変動2020」(文部科学省・気象庁, 2020)
「近畿・中国・四国地方の気候変動」(大阪管区気象台ホームページ)
中国地方各県の気候変動(令和4年3月、各気象台)※山口県を除く
鳥取県[PDF:753KB] 島根県[PDF:742KB] 岡山県[PDF:738KB] 広島県[PDF:736KB]
気象庁「気候変動」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/3-1.html
気象庁「日本の各地域における気候の変化」
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/gw_portal/region_climate_change.html
気候変動適応プラットフォーム(A-PLAT:国立環境研究所ページ)
https://adaptation-platform.nies.go.jp/climate_change_adapt/index.html
国際連合広報センター「気候変動と国連」
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/climate_change_un/
国土交通省の気候変動への適応策
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_mn_000013.html
気候変動 – 適応策 – 広島市
https://www.city.hiroshima.lg.jp/uploaded/life/217806_331324_misc.pdf
そもそも『気候』とは??
それぞれの土地や地域で1年間を周期として繰り返され、長い年月にわたって現れる天気の総合的な状態。要するに、地球上の大気の状態のことを指します。
地球上で起こる様々な大気現象は、太陽から受け取ったエネルギーを源としています。
地球が太陽から受け取ったエネルギ-は、大気圏だけではなく、様々な形態を取りながら、海洋・陸地・雪氷・生物圏の間で相互にやりとりされて、最終的には赤外放射として宇宙空間に戻され、ほぼ安定した地球のエネルギ-収支が維持されています。
このようなエネルギ-の流れに関与する地球の全システムを「気候系」と呼び、また大気の平均状態を「気候」と呼びます(気象庁)。
<気候要素>
日照、日射、気温、湿度、降水量、気圧、風など
<気候のスケール>
・大気候:水平方向の広がりが200〜4万km,高さは120kmくらいまでの気候
(世界全体、アジア、南米大陸 など)
・中気候:水平方向の広がりが10~200キロの範囲で、大都市・盆地などの気候
(中国地方、南ドイツ など)
・小気候:水平方向の広がりが10キロ程度以下の狭い地域内にみられる気候
(広島市内、隠岐の島町 など)
<ケッペンの気候区分(植生、気温と降水量の組合せ)>
寒帯気候:年間を通して寒い場所であり、氷がほとんど溶けない
・氷雪気候…1年中ずっと地面が雪や氷に覆われて植物が生えない
・ (グリーンランド、南極大陸など)
・ (カナダの北部、ロシアの北部、ノルウェーの北部など)
亜寒帯気候:冬は長く寒さがとても厳しいが、夏は暑くなり針葉樹等が分布
・亜寒帯冬季少雨気候… 冬は降水が少なく乾燥し、夏に雨が多い気候
・ (東アジア~シベリアのみに分布)
・亜寒帯湿潤気候…冬の寒さが厳しく年間の気温の年較差が大きい
・ (地球上に最も広く分布する気候区:北海道など)
温帯気候:適度な温度と降雨に恵まれ四季の変化が明らかな気候
・温暖湿潤気候…1年間を通して気温の変化が大きく、降水量も多い気候
・ (日本、東アジア、北アメリカ東南部、パンパなど)
・西岸海洋性気候…1年間を通して雨が降り降水量の変化が小さい
・ (西海岸など 日本では道南の室蘭市と日高地方で分布)
・地中海性気候…夏には乾燥するが、冬は偏西風のために雨が降る
・ (イタリアなどの地中海沿岸地域)
乾燥帯気候:降水量が非常に少ないため、森林が育たない
・砂漠気候…雨が少なすぎて植物がまったく育たない
・ (アラビア半島、アフリカ北部)
・ステップ気候…少しは雨が降るので草などにかぎり植物が育つ
・ (砂漠の周辺、モンゴルなど)
熱帯気候:一年中暑くて降水量が多い 地域によって雨季と乾季がある
・熱帯雨林気候…年中雨が多く、森林が多く広葉樹が茂る
・ (アマゾン川流域、東南アジアなど)
・サバナ気候…雨季と乾季があり木々はまばらで、草地(サバナ)が多い
・ (アフリカのケニア、ホーチミン、リオデジャネイロなど)