環境省では、「令和5年度 金融機関向けポートフォリオ・カーボン分析支援事業」において4つの金融機関とともに、ポートフォリオ・カーボン分析に基づく金融機関のネットゼロ達成に向けた移行戦略(脱炭素化計画及びエンゲージメント戦略)の検討・策定を行いました。
その結果を踏まえ、「ポートフォリオ・カーボン分析を起点とした金融機関向け移行戦略策定ガイダンス」を取りまとめましたのでお知らせ致します。
1.背景
温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロを目指す金融機関の連合であるGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)が2021年11月に発足して以来、世界の脱炭素化に向けた流れを金融が主導する動きが急激に進んでいます。
金融機関がネットゼロを実現するには、自社の排出量全体の多くを占めるファイナンスドエミッション(投融資先企業のGHG排出量)の削減が必要です。また、削減にあたっては、投融資先企業の脱炭素化の計画を立て、脱炭素化計画を実現するためのエンゲージメントの具体的な施策を立案することの重要性が高まっています。
2.目的
環境省では、令和3年度よりポートフォリオ・カーボン分析(ファイナンスドエミッションの算定・分析)の金融機関向けパイロットプログラムを実施してまいりました。本事業では、金融機関がファイナンスドエミッションの削減を目指して策定する「脱炭素化計画及びエンゲージメント戦略」を「移行戦略」と定義し、令和5年度は4つの金融機関を対象に、ポートフォリオ・カーボン分析に基づく移行戦略の検討・策定を行いました。
本ガイダンスにおいては、ポートフォリオ・カーボン分析の手法に係る論点、国際的なガイダンスを参考にした移行戦略策定プロセス等を整理しています。また、投融資先企業の脱炭素化に向け、地域特性を踏まえた金融機関ごとの着眼点の違いを、各実践事例を通じて確認いただける内容となっています。地域金融機関による本ガイダンスの活用を通じて、投融資先企業の脱炭素化に向けた具体の行動が広がることを期待しています。
添付資料
- ポートフォリオ・カーボン分析を起点とした金融機関向け移行戦略策定ガイダンス[PDF 12.5MB]
- ポートフォリオ・カーボン分析を起点とした移行戦略策定ガイダンス《概要版》[PDF 2.0MB]
- (別添)Appendix4 日本標準産業分類、日銀業種分類、産業連関表、GICS、TCFD18分類における紐づけの一覧表Ver2.0[Excel 258KB]
- 生物多様性・自然資本に関する金融機関の開示事例[PDF 2.3MB]
連絡先
環境省大臣官房環境経済課環境金融推進室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8240