取組紹介

エリア 広島県

【共催事業報告】ひろしま SDGs Meeting

主体
テーマ
方法

ひろしま SDGs Meeting

【日 時】 令和 4 年 12 月 3 日(土)13:30~17:30

【場 所】 広島コンベンションホール 2 階 メインホール 2A(広島県広島市東区二葉の里)

【参 加 者】 46 名
《所属》企業(17)、NPO(1)、NGO(1)、一般社団法人(2)、大学生(25)※ビジネスコミュニティ発表者含む、その他(3)

【プログラム】
 13:30~ ●開会、オープニング
 14:00~ ●セッション 1:講演&SDGs ビジネスコミュニティ ブース発表
 15:45~ ●セッション 2:グループワーク ひろしま SDGs プロジェクト
 17:15~ ●閉会、クロージング

【主 催】広島県、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)、中国地方 ESD 活動支援センター
    環境省中国環境パートナーシップオフィス(EPO ちゅうごく)

【運 営】
 《大学生運営サポーター》5 名
 《EPO ちゅうごく・ESD センター》松原裕樹、岩見暢浩、濱長真紀、沖本晴香
 《広島県》松村春佳(広島県地域政策局平和推進プロジェクト・チーム)

~「ひろしま SDGs Meeting」の目的~ 

 昨年度のビジネスコミュニティに参加した、広島の大学生5人を中心に企画・運営された、ひろしま SDGsMeeting。この企画は、学生と企業の化学反応からうまれる独創性を実行計画に落とし、実践による広島の未来創造を目指すことを目的として、開催されました。

参加者がこの場で話し合って終わりではなく、異なるリソースを持つ参加者同士の交流から、自身の生活に持ち帰ったとき、実践につながる後押しをしたいと思い、企画を考えました。

そのため、実践につながるよう、自身の持つ強み(リソース)を活かした課題解決の実行計画を、参加者が考えるグループワークを導入し、参加者同士の意見交換が多くできるように工夫をしました。

 

開会 ~「実践」に向けたスタートライン~

 SDGs に既に取り組んでいる、推進したい広島の企業、学生、社会人が46名集まりました。参加者の中には、今年度の SDGs ビジネスコミュニティに参加し、企業の SDGs の取り組みについて取材を行った大学生もいました。

 ひろしま SDGs Meeting のはじめに、今回の目的を改めて確認しました。今回の目的は「学生と企業の化学反応からうまれる独創性を実行計画に落とし、実践による広島の未来創造を目指す」こと。これには「現状維持は後退」であり、現状維持していても変わらない、でも SDGs 目標達成の 2030 年まではあと8年しかない、実践を通して広島の未来を変えたい、という運営サポーターの思いもありました。

 集まった時は少し緊張した雰囲気でしたが、アイスブレイクも兼ねた自己紹介を通じて、お互いの壁が少しずつ無くなっていきました。堅い雰囲気の中で、お互いのことを上手く話せなかったらもったいない!と思い、BGM をかけるなど、和んだ雰囲気の中で自己紹介が行われました。

 

セッション1 ~「具体的な行動」を促すきっかけに~

 前半は、環境活動家の露木志奈さんに、インドネシアのグリーンスクールで学んだことから得た、環境問題に対する危機感や見解、正しい情報を得て行動を起こすことの重要性について講演していただきました。
この講演は、露木さんのもつ強いメッセージ性やエネルギー、強い行動力に基づいた講演により若者や企業など多様な主体の力を引き出すことで、SDGs や社会問題に対して具体的な行動を後押しするきっかけづくりをねらいとしていました。

参加者は講演内容を真剣に聞き、メモを取っていました。講演後には社会人、学生ともに、環境問題に対する露木さんの見解、豊富で正しい情報の得方など、講演内容を深堀する多くの質疑が寄せられました。また、社会人からは自身の会社でも露木さんに講演していただきたい、という声もありました。

講演中、露木さんから知らされた地球の危機的状況に、思わず驚きの声が出てしまう参加者の反応が印象的でした。この講演で体験したショックやそれぞれの「!!」と思ったその感情を忘れずに、これからの SDGs 活動への原動力につなげていただきたいです。

セッション1 ~学生と社会人の意見交換~

 セッション1では SDGs ビジネスコミュニティに参加した学生レポーターが、模造紙を使ったプレゼンテーションを行いました。取材したチームは全部で 10 チームあり、それぞれのチームごとにブースを設けて、参加者の方々が聞いて回るという形をとりました。学生レポーターは取材を通じて、どんなことを感じたのか、学生ならではの視点で考え、事前に発表準備をしていました。堂々と学生レポーターが発表している様子や、発表の間、参加者が、熱心にメモを取りながら、話を受け止め聞いている様子がとても印象的でした。

学生の視点からの意見、社会人のビジネス的視点による意見交換がこのセッションの大きなねらいであったため、学生レポーターによる発表のあとに 5 分間の質疑応答・意見交換の時間を設けました。
学生レポーターからの新たな取り組みの提案を聞いた社会人からは、ビジネスの視点の意見もみられました。

参加者の中には、学生レポーターにこんな質問を投げかけている方がいらっしゃいました。
「個人的な意見なのですが、今の社会って、とりあえず SDGs を掲げないといけない、それが当たり前、みたいな雰囲気が出ているように感じます。色んな企業・団体が謳っていますが、『SDGs』という言葉だけが先行してしまい、結果が伴っていないと感じることがあるんですが、みなさん(ブース発表している学生レポーターに対して)はどう思いますか?」

なかなか鋭い質問に、学生レポーターも痛いところをつかれた、という表情でした。
社会に出て働いていない学生にとっては少し難しい質問のようにも思えますが、「学生」と「社会人」、立場・視点が異なる人から、経験に基づいた、質問や突っ込みから刺激を受け、新たな考えに気付かされた学生・参加者の方は多かったのではないかと思います。

ただ『SDGs』を謳い、理想を掲げるだけでは課題解決にはならず、現実を見て実践し続けることの重要性を改めて感じ、ブースの隅で聞いていてとてもビビッ!ときた質問でした。

セッション2 ~お互いの強みを活かして課題解決へ~

 みなさんは「SDGs の目標があまりに壮大で自分自身の力で解決できるの?」と思ったことはありませんか?確かに、自分 1 人の力で世界に挑むのは難しいかもしれません。しかし、個々の強みが集まれば、それは掛け算となり、課題を解決するきっかけを作ることができます。

セッション2では、「ひろしまSDGs プロジェクト」と称し、参加者の各々の強みを活かして、広島の課題に対するアプローチの方法をグループで考えるワークを行いました。
ワークのねらいは、SDGs という世界規模の目標を、参加者が住む広島の課題に置き換え、解決方法を具体的なものに落とし込み、SDGs の目標達成を身近に感じてもらうことです。

 

このグループワークは 3 つのステップで進めていきました。

はじめに第1段階では、参加者に自身の強み(学生であれば、自分が学んでいること。社会人であれば、勤めている企業の施設や技術など。その他趣味・特技…)を書き出してもらいました。書き出した強み(=リソース)は、グループでシャッフルすることで、自身だけでなく、グループで解決するという意識を持たせました。

 

第2段階では、広島に関係のある「平和」「環境」「島しょ部」の3つの課題から1つ選択してもらい、課題に対する解決方法をお互いの強みをグループで掛け合わせながら、自由にアイデアを出していきました。

最後に、第3段階では、1段階と2段階で知ったお互いの強みや、掛け合わせたアイデアを
具体的なプロジェクトに落とし込んでいきました。アイデアを出して終わりではなく、「5W1H」(誰が・何を・なぜ・いつ・どこで)(どのように)を意識することで、プロジェクトの内容をより具体的かつ実現性のあるものへと移しました。
ワーク終了後は、グループ同士で交流や共有を行いました。アイデアや内容からは各グループの特色がみられ、課題解決の糸口は十人十色だと感じる時間となりました。

参加者からは、「社会人(学生)の方の視点や意見を聞けて良かった」、「視点の面でいえば、学生は新しくユニークな発想が、社会人は現実的かつ具体的な発想があった」という声もあり、学生と社会人の関わりが多くみられました。

 

参加者からのコメント~新たな「気づき」を未来につなげる「行動」に~

以下、参加者からのアンケートから抜粋したコメントです。

<セッション1 環境活動家 露木志奈 さんの講演>
【大学生】大人になるまで待たなくてもいいと言う言葉に感銘を受けました。今回の講演を聞いて、自分のやりたいことや夢に向かって希望を持って行動に移そうと思えました。

【大学生】実際に環境活動家の方のお話を伺って実際私たちのように SDGs について学んで実践しようとする人は少ないと思いますがそれは情報の格差が影響していると言うことを学んだので自らが学んだSDGs をさらに多くの人に実践して貰えるよう発信を積極的にしていきたいと思いました。

【社会人】SDGs の取り組みはなんとなくしているものの、具体的に継続的に実践はできていなかったのですが、講演をきいて、人間は問題を起こすことも解決することもできるという言葉にすごく感銘を受けました。
今すぐに実践していけることは何かを考え行動していきたいです。

 

<セッション1 学生レポーターの発表>

【大学生】様々な企業の方の SDGs に対する取り組みが知れてよかったです。自分で SDGs の目標を達成させるために何ができるかを考えるヒントになり、勉強になりました。

【大学生】私たちだけでは思い至らなかったことについて気づくことが出来たため、学生以外の方に聞いていただけたことは貴重な経験になったと思います。

【社会人】学生さんの視点で、今後どのようにしたら良いかも考えられていて、私も勉強になりました。

 

<セッション2 課題解決ワーク>

【大学生】異なる経験と立場の人が集まると、ここまで広く議論できるのかと感じた。社会人としての意見や考え方はとても新鮮で興味深かった。

【社会人】自分自身でできることについて、学校を卒業してから考える機会があまりなく、このグループワークで改めて考えるきっかけとなりました。色々な意見が出て、交流を図ることが出来て良い刺激となりました。

【社会人】G7 を見据えたプロジェクトが生まれてきそうで有意義かつ充実していました。

最後に ~運営サポーターから一言~

セッション2では、参加者が協働して課題に向き合い、様々なアイデアが生まれて意義のあるフォーラムになったと思います。またサポーターでは発想出来なかったアイデアも多く、私も学びになりました。(横山美月)

「今」「未来」に真正面から向き合う皆さんのアイデアや気持ちが様々な所から聞こえて、私自身も勉強になりましたしこのフォーラムに携われて良かったと心から思いました。ありがとうございました!
(仰木希海)

運営というお仕事を通して、1つのイベントが実行されるまでにはたくさんの努力と人の支えあいが背景にあることを実感しました。広島に住む方々の生の声を聴く貴重な体験ができて良かったです。(石川佳奈)

ひろしま SDGs Meeting の中で、世代を超えて、これからの SDGs について話し合う参加者の皆さんの姿がとても印象に残っています。このような機会をつくることに携われたことをとても誇らしく思います。(山中千加)

この会の運営を経験することができたり、実際に参加者の方々がアイデアを出す過程を見たりできたことで、自分自身も SDGs について改めて学び考えるきっかけとなりました。本当に楽しかったです!(真壁幸優姫)

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