【共催事業報告】薪びと祭りキーパーソン会議 in 芸北
「地域循環共生圏づくり支援ネットワーク交流・意見交換会」
【日 時】令和2年11月14日(土)13:30 ~15日(日)12:00
【場 所】北広島町役場 芸北支所 他(広島県山県郡北広島町内)
【講 師】
《講師・ファシリテーター》
・白川 勝信 (芸北 高原の自然館 主任学芸員)
《講師・板書》
・河野 弥生 (認定NPO法人西中国山地自然史研究会)
【参 加 者】15名
《所属》EPO東北(3)、GEOC(1)、NPO・NGO等(7)、行政(1)、EPOちゅうごく(2)
《地域》秋田県(1)、岩手県(1)、山形県(2)、福島県(1)、宮城県(5)、東京都 (1)、広島県(2)
《2日目のみリモート参加:2名》
・東北大学 名誉教授 エネルギー環境学 工学博士 新妻 弘明(宮城県)
・日本EIMY研究所・湯本森・里研究所 星 昇(福島県)
【プログラム】
<11月14日(土)>
13:30~ 開会、オリエンテーション
14:00~ 芸北せどやま再生事業の紹介・視察
16:30~ 移動、入浴(芸北オークガーデン)
18:20~ 宿泊施設チェックイン
19:00~ 夕食、懇親会
<11月15日(日)>
7:00~ 起床、朝食
8:30~ 宿泊施設チェックアウト、移動
9:00~ 意見交換会
12:00~ 閉会
※ 閉会後は移動して、昼食・テングシデ見学の後に14:30解散
【主 催】東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)
【共 催】 中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)
【協 力】認定NPO法人西中国山地自然史研究会
【運 営】
《 統括 》松原裕樹(EPOちゅうごく)、井上郡康(EPO東北)
《事務局・記録》西村浩美(EPOちゅうごく)、鈴木美紀子(EPO東北・当日欠)
《スタッフ》小泉 照(EPO東北)、小野ジョン正雄(EPO東北)
~地域を超えて「環境・社会・経済・教育」の好循環について考える~
中国各県の中間支援組織や全国EPOネットワーク等と連携し、地域循環共生圏に対する理解や学びを創出し、地域循環共生圏づくり支援のためのネットワークや中間支援機能を強化することを目的として、EPO東北の先進事例である「みちのく薪びと祭り」のキーパーソンの皆さんをお迎えし、認定NPO法人西中国山地自然史研究会の皆様に全面的にご協力いただいて、「芸北せどやま再生事業」の視察と交流・意見交換会を開催しました。
<1日目:11月14日(土)>
東北地方にて、7年前に山形県三瀬でスタートした薪びと祭りは、昨年の青森県での開催を終え東北地方を一周し、今年度、次のステップへ向けて今後どうしていくか?が課題となっており、来年からの次の開催へとレベルアップするヒントを得るため、今回、広島県の芸北地区を実際に訪れて、第3回の福島県の開催以降、ゲスト参加いただき様々な活動について情報提供をいただいていた白川氏のフィールドを実際に視察し、関係者との意見交換会からヒントを得て、次の薪びと祭りへとレベルを上げていくことを目的として、キーパーソンの皆様それぞれの今の気持ちを共有し、芸北の活動についてレクチャーを受けた後、現地を実際に視察しました。
【1日目の感想】
・聞くのと見るのとでは違った。実際に現場や町の規模を視察できて良かった。
・運営の仕方、地域でお金が循環する仕組みは参考になった。
・地域づくりをもっと子どもたち主体にしなければ、次の世代に継がれない。
・材を出す側なので、そちら側の視点も知りたかった。
・せどやま再生事業の、これからの持続可能性についてが気になる。
・金額的にも出口も開拓していて町全体で素晴らしい。地元の役場の役員をつれて来たい。
・東北と景色が似ており、環境的にも共通点がある。まず「知ること」が出来た。
・学校や地域を巻き込む取り組みに感銘を受けた。
・今日参加したことで、山への価値や新しい視点の再生など学び気付く事ができた。
<2日目:11月14日(土)>
昨日の現地視察を受けて、来年度からの薪びと祭りの方向性について話し合いました。
薪びと祭りは、EPO東北が先導するのではなく、各県のキーパーソンの皆さんとボトムアップでつくりあげてきた。これから先も合意形成が大切なので、皆で話し合い納得した上で同じ方向を向いて次に進めたいということで、これまでの経緯と各県での開催内容等についてを振り返えりました。
また、これからにむけて今回は東北からリモートで参加の東北大学 新妻教授より、EPO事業としての「みちのく薪びと祭り」の意義について、「薪の利用が地域のエネルギーセキュリティばかりでなく、里山の保全、地域の活性化、そして豊かな生活の創出に有効であるとの共通認識が得られた。また、女性の視点も大切。地元の婦人会が参加した三瀬や梅内は、地域のトータルにふれる事ができた活動であり、絶賛であった。」とのまとめをいただき、参考としてメタファシリテーション((事実質問)=事実(認識)だけを聞く手法)についてレクチャーを受けました。
【EPOの役割】
・ネットワーク形成(点の活動を繋ぐ)
・都市生活や森そのものへの提案、温暖化防止⇒ 外側に請求できる要素
・社会全体が持続可能になる事⇒ 地域循環共生圏(多様なステークホルダー:同床異夢)
・絶滅危惧種が昔のやり方で絶滅してしまわないような場づくり。
次の6県を終えた2027年までに、薪びと祭りはどんな内容の活動をするか?について、白川氏から茅プロが意識している4要素「経済」「環境」「文化」「教育」+「その他」を参考に、それぞれについて話し合いました。
【2027年の運営メンバーの変容】
・地域貢献と事業体が成り立つバランス
・今は県を代表している訳ではないので、文字通りの各地域のキーパーソンになる
・コアメンバーは変わらずやりたい人が加わり、次世代に繋ぐ(次世代のキーパーソンの出現)
・男女比が50/50でお互いに元気になる
・自分たちの後継者を育てる 次世代への提唱
・関わっている人の個人の資質を向上させて、一般の人に伝える方法を増やす
・自分たちが楽しんでいる姿、真剣な姿勢を他の人にも見せる
・異業種も巻き込む(デザイナーやIT、助言者、研究者など)~マキマキなので巻き込む
・モヤモヤしていた人が自分の想いを自覚する(活動していない参加者)見せる教育
【2027年に社会に与える目指す影響】
・行政のトップを巻き込む
・地域経済がまわる。閉鎖されても生きていける東北
・薪利用者の利点を実態で見せることで山に入る人が増加
・中国地方や他地方での水平展開
・サミット、シンポジウムなど舞台を準備
・日本の薪びと祭り実施、そして世界の薪びと祭りへ「MAKIBITO」
「教育」について、場づくりだけでなく自分たちの後継者を育てる活動が求められる。皆さんと一緒にボトムアップで薪びと祭りをつくり上げてきた結果もそうだが「プロセス」が大切。今のメンバーをコアメンバーとして、新たなメンバーを迎えながら、閉鎖されても東北だけは6県だけでも生きていける体制づくりが究極の目標として、これからも続けていくために、今日話したことを一旦東北に持ち帰って、年度内に皆さんと整理して来年度に繋げたいと、最後にEPO東北の井上統括が締めくくりました。
この記事の発信者
西村浩美(にしむら ひろみ)
コーディネーター