取組紹介

エリア 島根県

【共催事業報告】ESD学びあいフォーラム2021 「新聞から読みとくSDGs ー知る、深める、伝えるー 島根・鳥取」

主体
テーマ
方法

ESD学びあいフォーラム
「新聞から読みとくSDGs-知る、深める、伝える」島根・鳥取

【日  時】令和3年10月16日(土)10:00~16:00
【場  所】・島根会場(メイン会場)
       (島根県立産業交流会館501大会議室 島根県松江市学園南)
      ・鳥取会場(サテライト会場)メイン会場からオンライン会議システムで接続)
       (鳥取県立福祉人材研修センター 中会議室AB 鳥取県鳥取市伏野)
【参  加  者】24名
【講  師】《新聞からSDGsを読み解くSDGs~ 講義・ワークショップ》
       ・有馬 進一/日本NIE学会理事
      《SDGsの基本 講義》
       ・葭矢 崇司 /しまねエコライフサポートセンター・エコサポしまね ・
        公益財団法人しまね自然と環境財団 松江事務所
        (島根県地球温暖化防止活動推進センター)
      《NIE事例紹介 ~各県のNIE実践事例共有~》
       ・清水由紀子/山陰中央新報社 ・和田 進/新日本海新聞社
      *鳥取県会場ファシリテーター
       ・松原 裕樹 EPOちゅうごく/中国地方ESD活動支援センター 事務局長
【主  催】中国地方ESD活動支援センター/
      環境省中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)/JICA中国
【後  援】朝日新聞社、山陰中央新報社、新日本海新聞社、
      島根県NIE推進協議会、鳥取県NIE推進協議会
【協  力】しまねエコライフサポートセンター(エコサポしまね)、
      鳥取県地球温暖化防止活動推進センター、
      とっとり県民活動活性化センター(とっとりSDGsプラットフォーム)

【プログラム】
10:00~ 開会挨拶、オリエンテーション、主催者あいさつ
10:30~ 【講義】SDGsの基本
11:30~ 【講義】SDGsとNIEの親和性
12:00~ 昼食
13:00~ 【ワークショップ】①付箋で思考の見える化 ②SDGsマッピングで記事分析
14:45~ 【NIE事例紹介~各県のNIE実践事例共有~】※会場別に実施
15:10~ 【振りかえり、質疑応答、アンケート記入】※会場別に実施
15:40~ 【全体振りかえり、質疑応答】
15:55~ 閉会挨拶
16:00     終了

<企画の目標

①参加者(主に教員関係者)のSDGs理解促進:身近なニュースリソースのひとつである地方新聞からSDGsの課題を見つける作業を通し、地域の現状や課題、強み、魅力を再認識し、持続可能な社会づくりに向けて参加者自身が出来る事を考えるきっかけとする。
②ネットワーク構築:参加者、地方新聞社、地域のESDキーパーソン(ESD活動推進拠点実践者)が情報共有を行うことで、地域における新たな学びのネットワークを構築するきっかけとする。
③児童・生徒のSDGs理解促進:新聞を活用した参加型手法を通じて、参加者が教育現場における効果的なSDGsの伝え方、授業方法等を習得することで、児童・生徒のSDGs理解促進を図る。
(教育現場での活用→課題認識→実践→課題解決までのステップを期待)

<企画の内容>
地球規模の環境課題から「 持続可能性 」を考え、17GOALから、新聞を読みとく

昨年度の広島開催続き、今年度は島根・鳥取を会場とし、新聞を活用した実践的な教育手法を学びました。
講師は日本NIE学会理事の有馬進一氏。付箋やワークシートを使い、SDGsの視点から新聞を分析、読みときます。今回は、しまねエコライフサポートセンター葭矢氏に講師を依頼し、環境課題の事例から「持続可能性」を考え、私たちの行動や責任について議論を深める時間も。
後半は山陰中央新報社、新日本海新聞社より、教育現場でのNIEの実践事例をご紹介いただきました。
大学生や教員、環境教育に携わる方など多様な参加者同士、新聞をめくり偶然の「知」と出会い、そこから拡がる学びについて等、新聞教材の可能性について考えました。

 

将来世代に向け、私たちはどんな未来をつないでいくか

【講義・SDGsの基本】
SDGsの基本部分でも特に「持続可能」とはそもそも何か、という部分に焦点をあて、参加者に問いかける形で、時折グループディスカッションを交えながらお話いただきました。
地球規模の話から人類が生活の中で資源から得ている恩恵、社会の成長から考えるべき地球環境問題について等、特に環境の側面から「持続可能」について様々な事例から学び、日常生活の中で考え選び行動することがどう子どもたちの未来と関わっているのか考える時間。
最後に将来世代に向け、どのような社会をつないでいくのか、参加者同士で意見交換を行いました。

SDGsとNIEが合わさった時に生まれる”学びに向かう力”

【講義・SDGsとNIEの親和性

有馬氏より、午後のワークショップに向け、SDGs思考(2030年のあるべき姿から、今自分はどう行動すべきかを問う)と新聞が持つ力(多様なジャンルの最新情報をキャッチし、日本や世界の現状・課題が見えてくる)が合わさった時に生まれる“学びに向かう力”と、その親和性についてご講義いただきました。
また、小中高の学習指導要領から、SDGsが授業に入ることで、新たな知識や思考の枠組みについて教育課程の編成に示唆を与えてくれ、多面的・多角的な思考力・判断力、表現力を鍛えることが出来るとお話いただきました。

新聞一紙を丸ごと読み、SDGs付箋を使って思考を見える化

【ワークショップ①付箋で思考の見える化
  ・個人ワーク
    1.SDGsに関連する記事を3つ以上探す
    2.付箋を選び「つぶやき」と「名前」を書く
    3.記事に貼る
   4.壁面の新聞に張り替える
  ・壁面の紙面閲覧、全体で意見交換
  ・付箋活用のアイディア出し」グループ別協議
  ・まとめ

朝日新聞を使用し新聞一紙を丸ごと読み、SDGs付箋を使って思考を見える化するワークの説明を受け、会場ごとに進行していきました。参加者からは、「SDGs17ゴールから見ることで、ひとつの記事についても多様な見方があり、1つの問題が複数の問題にもつながっている」という感想が出るなど、新たな気づきが生まれました。

記事を17ゴールと結びつけ「経済、環境、社会」の側面から分析

【ワークショップ②SDGsマッピングで記事分析
  ・個人ワーク
           1.記事を切り抜いて貼る
           2.17ゴールの関連部分にラインを引く
      3.関係の深いアイコンと線で結ぶ
       ・会場別意見交換
       ・まとめ

山陰中央新報と新日本海新聞から自身が気になる記事を選び、17ゴールと関連する文言を結びつけ「経済、環境、社会」の3側面から分析していくワークの説明を受け、会場ごとに進行していきました。
参加者が、社会にとってプラスであることマイナスであることについて3側面からワークシートを作成。
多様なバックグラウンドを持つ参加者同士が意見交換を行うことで、これまで気づかなかった課題への捉え方を知り、これまでと見方が変わったという感想が生まれる時間でした。
最後の有馬講師から、私たちが行動として「やめること」「続けること」「やる方を変えること」「新たにはじめること」など、今日得た学びを明日からどのように生かせるか、お話いただきました。

新聞を開くことで出会う「知」との偶然の出会い

【NIE事例紹介~各県のNIE実践事例共有~】
山陰中央新報社 清水 由紀子氏(島根会場)、新日本海新聞社 和田 進氏(鳥取会場)より、
各県NIE推進協議会の取組や、NIE実践指定校でのNIE取組事例等ご紹介いただきました。
実際に導入部分で展開しているワークを体験し、主体的に学ぶ児童の素地づくりを目指したNIEの授業づくりについて事例を知るとともに、そこからの授業の展開方法についてイメージを膨らませました。
年齢層が下がるほど、デジタルから情報収集する人が多く、新聞に触れる機会がない人が多い中、身近ではない新聞教材をどう身近に感じることが出来るか、新聞を開くことで出会う「知」との偶然の出会い等、ニュースの重要性の格付け等、会場ごとに、課題や利点について意見交換が行われました。

 

<参加者の感想>

・NIEを今日ようやく知ることができた。新聞を読む意味については、個人が持っている関心は固定されているわけではないので、読むことで世界の広さを感じることは大事だと感じた。人生には様々な選択が必要になるが、分からない知らないことの中に、新たな発見があり、自分の好きなことばかり選んでいると世界がどんどん狭くなると感じる。新聞の良さは俯瞰できることなのかもしれない。
・ちがう新聞を眺めることで違う世界が見えてくるのだと思う。探求心を持っていきたい。
・今回、新しい出会いがあり、新たな発見もあり、参加してよかった。

この記事の発信者

濱長真紀(はまなが まき)

コーディネーター・ESD統括

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