「OECM」とは?
(Other Effective area based Conservation Measures)
生物多様性の保全に関する国際目標である愛知目標(2011~2020年)<目標11>
「2020年までに少なくとも、陸域及び内陸水域の17%、沿岸域及び海域の10%
特に、生物多様性と生態系サービスに特別に重要な地域が、効果的、衡平に管理され、かつ生態学的に代表的な良く連結された保護地域システムや、その他の効果的な地域をベースとする手段を通じて保全され、より広域の陸上景観や海洋景観に統合される」
この<目標11>の中の「その他の効果的な地域をベースとする手段(Other effective area-based conservation measures)」の頭文字をとって『OECMs』と呼ばれるようになりました。
要するに、国立公園などの保護地区ではないけれども、生物多様性を効果的にかつ長期的に域内保全に貢献する地域のことをそう呼びます。
しかし、まだこの時点では『OECMs』について、定義がハッキリしてなかったようで…
2018年の「生物多様性条約の第14回締約国会議」の中で、ようやくどのような保全地域がこのOECMsなのかについて合意に至りました。
その定義は
「自然保護地域以外の地理的に境界・区切りをはっきりと定めされた地域で、付随する生態系の機能とサービス、適切な場合、文化的・精神的・社会経済的・その他地域関連の価値とともに、生物多様性の域内保全にとって肯定的な長期の成果を継続的に達成する方法で統治・管理されているもの」
うむむ…なんだか言葉がややこしいですね。
まぁ、要するに「今現在、自然保護されている地域ではないんだけれども、人の営みが結果として豊かな生態系を維持し、生物多様性の保全の助けとなり、貢献してきた歴史をもつ地域を、これからも継続して自然共生型の保全を維持・強化するツールとして大切に守り続けるための制度」といった感じです。
OECMsであれば、土地利用の主目的を変更することなく、生物多様性の保全地域として取り込むことが可能になります。(国立環境研究所より)
日本自然保護協会のホームページでは、もっと分かりやすい言葉
「人と自然の共生地域= OECM」として解説されています。
⇒ https://www.nacsj.or.jp/2021/10/27851/
【保護区とOECMsとの違い】
保護区:生物多様性の保全を主目的とする地域
OECMs:利用や管理の目標に関わらず生物多様性の保全に貢献している保護区以外の地域
自然保護区は、生態系を保全する目的によって指定されている地域
OECMsは、生物多様性保全に役立っているという結果によって登録される地域
【参考資料】
OECMの現状と概要(環境パートナーシップ会議)
≫ https://epc.or.jp/wp-content/uploads/2022/03/j-gbf_regional-forum01_220322_02-oecm.pdf
30by30目標とOECMに係る国内の取組について(環境省自然環境局自然環境計画課)
≫https://www1.kaiho.mlit.go.jp/TB_renaissance/RenaissanceProject/Handouts/R4_temp_Exe/H_01_01.pdf
OECMと自然共生サイトについて(EPO中部:環境省自然環境局自然環境計画課)
≫ https://www.epo-chubu.jp/wp/wp-content/uploads/2023/01/02-siryo_KEIKAKUKA.pdf
「30by30」実現のカギは「OECM制度」
この制度は、公的な自然保護区ではない地域であっても、継続的な生物多様性の保全活動などにより、適切に生態系の保全がおこなわれている地域の場合は、「自然共生サイト」として国が認定。
認定区域は、自然保護区との重複を除き「OECM」として国際データベースに登録されます。
日本は、OECM含めた「陸」と「海」それぞれ30%の保護地域化を宣言しています。
<2021年現在>
自然保護区の割合は、陸域:20.5% 海域:13.3%
※ 新たに、陸域:約10% 海域:約17% の追加認定が必要。
「自然共生サイト」の対象は…
生物多様性の価値を有し、事業者、民間団体・個人、地方公共団体による様々な取組によって、(本来の目的に関わらず)生物多様性の保全が図られている区域
【例】
企業の森、ナショナルトラスト、バードサンクチュアリ、ビオトープ、自然観察の森、里地里山、森林施業地、水源の森、社寺林、文化的・歴史的な価値を有する地域、企業敷地内の緑地、屋敷林、緑道、都市内の緑地、風致保全の樹林、都市内の公園、ゴルフ場、スキー場、研究機関の森林、環境教育に活用されている森林、防災・減災目的の森林、遊水池、河川敷、水源涵養や炭素固定・吸収目的の森林、建物の屋上、試験・訓練のための草原・・・など多様な場所が該当しえます。
【自然共生サイトへの認定申請方法】
以下のホームページより、申請できます。
> https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/kyousei/
【問い合わせ先】
生物多様性のための30by30アライアンス事務局
(環境省 自然環境局 自然環境計画課)
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2
TEL:03-3581-3351(代表)
E-Mail:30by30alliance@env.go.jp