「モニタリングサイト1000第4期とりまとめ報告書概要版」及び「モニタリングサイト1000里地調査2005-2022年度とりまとめ報告書」の公表について
2024 . 10 . 04
- 開催日・期間
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- 開催時間
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- 申込期限
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- 実施主体
- 環境省
- # 生物多様性
1.重要生態系監視地域モニタリング推進事業(モニタリングサイト1000)では、5年に一度、調査開始時からの全データを分析した「とりまとめ報告書」を作成しており、令和6年度には、7つの生態系/分類群の調査でとりまとめ報告書を公表予定です。
2.今般、これらの報告書に掲載予定の内容を中心に、20年間の調査で明らかになった、身近に見られる生き物の減少傾向、気候変動の影響、外来種の拡大傾向などの日本の自然の変化・異変をまとめ、「モニタリングサイト1000第4期とりまとめ報告書概要版」を作成しました。
3.また、7つの生態系/分類群の調査のうち、里地調査についてとりまとめた「モニタリングサイト1000里地調査2005-2022年度とりまとめ報告書」を作成しました。報告書では、日本の里地里山における身近なチョウ類・鳥類・植物などの減少傾向や、モニタリングサイトにおける保全活動の状況などを明らかにしています。
4.環境省としては、里地里山等も含め民間の取組等によって生物多様性が保全されている区域を「自然共生サイト」として認定する取組を進めており、こうした取組を全国で促進していきます。
■モニタリングサイト1000の概要
・我が国を代表する様々な生態系(高山帯、森林・草原、里地、陸水域、沿岸域、砂浜、サンゴ礁、小島嶼)の変化状況を把握(モニタリング)し、生物多様性保全施策への活用に資することを目的とした調査です。
・全国約1,000か所の調査地(モニタリングサイト)において、平成15年度から長期継続的に実施しています。
・研究者をはじめ、NPO団体や市民調査員など、様々な主体の方達に調査の協力をいただき成り立っています。
・モニタリングサイト1000の調査結果は、「生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(環境省,2021年)、気候変動影響評価報告書(環境省,2020年)等に活用されています。活用例について別紙を参照ください。
■ モニタリングサイト1000 第4期とりまとめ報告書概要版(資料1)について
概要版の主な内容は以下のとおりです。<身近に見られる生き物たちの減少傾向>
里地や森林・草原ではスズメ・ヒバリ、内陸湿地や沿岸域ではシギ・チドリ類、小島嶼ではカモメ類など、身近に見られる生き物たちの減少傾向が見られました。
<気候変動の影響>
陸域では、高山帯でのハイマツの生長量の増加、森林での暖かい地域を好む樹種の増加および寒い気候を好む樹種の減少、里地での南方系チョウ類の増加などの傾向が見られました。
海域では、各地のアマモ場・藻場の衰退・消失が見られ、サンゴ礁では夏期の高水温が原因とみられる白化現象が頻繁に見られるようになり、いずれも温暖化が影響していると考えられます。
<ニホンジカによる生態系の影響>
里地では、ニホンジカが撮影される調査サイトの比率が年々増加しています。ニホンジカが生息する森林では下藪を好むウグイスやコルリなどの鳥類が減少しています。
ニホンジカの分布域は里地や森林から拡大し、近年は高山帯においても確認され、高山植物への食害が生じています。
<外来種の拡大>
ガビチョウやソウシチョウなどの分布が拡大しています。北海道の大雪山の高山帯では、近年セイヨウオオマルハナバチが目撃されるようになりました。小笠原諸島の原生林では、アカギやパパイア、モクマオウ、クマネズミ、グリーンアノールなど多くの外来種が侵入し、防除・保全事業が行われています。
<外来種対策の効果>
沖縄県やんばるの森のヤンバルクイナ、福岡県小屋島のヒメクロウミツバメ、埼玉県天覧山・多峯主山周辺のヤマアカガエルなどは、地区ごとの取り組みによって回復が見られています。
■ モニタリングサイト1000 里地調査2005-2022年度とりまとめ報告書(資料2-3)の概要
また、調査実施団体等による調査結果の活用事例が増加し、調査結果が保全活動に活用されていることも明らかとなりました。
■ 「とりまとめ報告書」全文の公表スケジュール
・令和6年度に、高山帯(11月)、森林・草原(11月)、里地(10月)、ガンカモ類(11月)、シギ・チドリ類(12月)、沿岸域(12月)、サンゴ礁(12月)の7つの調査について、「とりまとめ報告書」全文を公表する予定です。また、陸水域、小島嶼の調査について、令和7年度に「とりまとめ報告書」全文を公表予定です。
・令和6年度中に、概要版にイラスト等を加えた「とりまとめ報告書概要版パンフレット」を作成する予定です。