環境省では、ニホンジカ及びイノシシの全国的な生息状況の動向を把握するため、統計手法を用いた個体数の推定等を平成25年度から実施しています。今般、この結果をとりまとめましたので、公表します。
1.趣旨
ニホンジカ及びイノシシは、その生息数の増加や生息域の拡大により、自然生態系、農林水産業及び生活環境に深刻な被害を及ぼしています。
こうした被害を軽減するため、平成25年には、環境省と農林水産省において「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を共同で取りまとめ、「ニホンジカ、イノシシの個体数を10年後(令和5年度)までに半減」することを当面の目標(以下「半減目標」という。)としました。
この半減目標の達成に向け、捕獲により各地域の個体数等を適切に管理する個体群管理が進められていますが、効果的に管理を行うためには、全国的な生息状況の動向を把握することが不可欠です。このため、環境省では、平成25年度から、全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等を実施しています。
2.調査結果の概要
(1)個体数推定の調査方法(資料1)
ニホンジカ及びイノシシの全国的な個体数の動向を把握するため、令和2年度までの捕獲数等の情報をもとに、ハーベストベースドモデルを基本とした階層ベイズモデルと呼ばれる統計手法を用いて、本州以南※のニホンジカ及び全国のイノシシについて、令和2年度末の個体数推定を実施しました。
※北海道におけるニホンジカの個体数については、北海道が独自に推定を実施しています(令和2年度末時点で約67万頭と推定)。北海道の推定結果は、他の地域の推定結果と科学的に妥当な方法で足し合わせることが困難なため、本推定では別で取り扱うこととしています。
(2)ニホンジカ及びイノシシの個体数推定の結果(資料2)
令和2年度末における本州以南のニホンジカの個体数は、中央値で約218万頭(90%信用区間:約173万~292万頭)、イノシシの個体数は、中央値で約87万頭(90%信用区間約62万~121万頭)と推定され、平成26年度をピークに、ニホンジカ、イノシシともに、減少傾向が継続していると考えられます。
【添付資料】
資料1:個体数推定の手法(統計手法による個体数推定の概要)について
資料2:全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定の結果について
【連絡先】
環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8285