環境省では、地域金融機関がTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース (Task Force on Climate-related Financial Disclosures, TCFD)を通じて自らの気候変動関連のリスク・機会を把握し、投融資先の脱炭素に向けたエンゲージメント、同エンゲージメント結果を踏まえた地域金融機関における経営戦略の見直し等を行うモデル的なプロジェクト創出を目的として、「令和5年度地域金融機関向けTCFD開示に基づくエンゲージメント実践プログラム」を実施しました。
この度、当プログラムの成果等を踏まえ、「金融機関におけるTCFD開示に基づくエンゲージメント実践ガイダンス」を公表いたしましたのでお知らせいたします。
この度、当プログラムの成果等を踏まえ、「金融機関におけるTCFD開示に基づくエンゲージメント実践ガイダンス」を公表いたしましたのでお知らせいたします。
■ 背景
我が国では、2022年の東証プライム市場上場企業におけるTCFD提言に基づく開示(以下「TCFD開示」という)の義務化のほか、2023年にはIFRSサステナビリティ開示基準の公表を受けて、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)が国内での開示基準の策定を開始しています。同基準では温室効果ガス排出量のScope3の開示を含め、2025年以降に一定の開示義務化に向けた議論が進んでいることもあり、気候変動関連の情報開示の重要性はますます高まっています。この点、地域金融機関はTCFD開示の枠組みを、自らの投融資先に気候変動が与える影響の把握やリスク管理に関する情報開示に留まらず、投融資先の脱炭素化に向けたエンゲージメントや、移行戦略を含めた金融機関の戦略策定に活用していくことが期待されます。加えて、事業法人側、特に地域金融機関の主たる融資先である中小企業では、ノウハウの不足等の課題もあって、現時点で自ら脱炭素に向けた取組を進める動きはごく一部に留まっており、金融機関側からのエンゲージメントによってアプローチする重要性が高まっています。
■ 目的
環境省では、上記の背景を踏まえて「令和5年度地域金融機関向けTCFD開示に基づくエンゲージメント実践プログラム」において、プログラム支援先の地域金融機関における投融資先の脱炭素に向けたエンゲージメント、同エンゲージメント結果を踏まえた支援先金融機関の経営戦略の見直し等の支援を行いました。 この度、当プログラムの成果等を踏まえ、「金融機関におけるTCFD開示に基づくエンゲージメント実践ガイダンス」を公表いたしました。本ガイダンスでは、金融機関におけるTCFD開示とエンゲージメントの関係性について整理するとともに、プログラム支援先のエンゲージメントに係わる取組について紹介しています。本ガイダンスがより多くの金融機関のエンゲージメント推進の一助となり、地域の脱炭素化に向けた取組が促進されることを期待しています。
添付資料
連絡先
環境省 大臣官房 環境経済課 環境金融推進室
代表03-3581-3351
直通03-5521-8240