取組紹介

エリア 島根県

【インタビュー】認定NPO法人自然再生センターの皆さま

主体
テーマ
方法

認定NPO法人自然再生センターは、住民・企業・行政・専門家等と連携して、中海・宍道湖を含むこの流域の自然環境の再生と、かつての湖と人々の親しい関係を再構築するための活動を行うことにより、豊かな恵みを感じられる持続可能な社会の実現に貢献することを目的とし、「科学的根拠」「協働」「共感」「自然の力」の輪が大きく太く広がることを目指して、専門家・研究者の科学的根拠をもとに、包括的自然再生に挑まれています。

令和3年からは、「地域循環共生圏の担い手育成プロジェクト」と題し、地域循環共生圏の担い手となる次世代の人材育成研修プログラムの企画に全面的にご協力いただき、令和4年に「地域循環共生圏の担い手育成研修」を同センターのフィールドを舞台に、プログラムの実施検証を行いました。

このたび、これまで実施してきた事業の評価検証や、今後の人材育成事業展開のために、客観的な視点からのご意見ご感想をいただきたく、インタビューさせていただきました!

【インタビュイー】
認定NPO法人自然再生センター 小倉副理事・井上事務局長・辻本さん

【インタビュアー】
EPOちゅうごく/中国地方ESD活動支援センター スタッフ:沖本・西村


Q1.昨年度、ローカルSDGs担い手育成研修の企画・運営に参加して、何か変化はありましたか?

井上:私は当時センターに入って一年足らずでわからないことが多い中、センターの歴史やこれまでの活動のこと、センターが多くの方に支持されていることがわかって、自分の仕事内容が確認できる良い機会になりました。
また、ローカルSDGsについても良くわかったし、センターがローカルSDGsを現場で実践しているから、それが認められて今回声がかかったのだと、自分の中で全部腑に落ちたのが良かったです。

辻本:私も概ね同じです。研修を一部担当したことで、オゴノリングを深掘りすることができました。また、自分はここの職員なのだという責任感が生まれ、自分のすべきことが明確になりました。歴史的なことも学べたので、センターで働く職員として多くの学びがあり、実りある時間でした。

小倉:この事業に声掛けをいただき承諾したのは、職員の成長が一番の狙いでした。4月と2月を比べると、狙い通り職員の成長が著しかったです。私が担当する予定だったオゴノリングのプレゼンを、辻本がやると言ってくれて、あ!成長したなぁと思いました。それから彼女は一生懸命調べて当日発表してくれましたが、あれがセンターに入って一番最初の発表でした。自分からやると言ってくれたなんて、すごいでしょ!

西村:そうだったんですか!とても堂々とされていらっしゃいました。

辻本:小倉さん絶対大変だなと思って、自分が分担できるなら多分オゴノリングだなと思いました。迷っていましたけどね、言い出そうかどうしようか。
小倉:グイグイと成長してくれて、私たち現場にとっては良かったです。

Q2.研修プログラムの中でインタビューさせていただいたオゴノリング関係者の皆さまからの反響や、関係性の変化はありましたか?

沖本:オゴノリングについて自分の言葉でお話していただくことが、インタビューに協力してくださったオゴノリング関係者の皆さまにもプラスになるのではないかと少し期待していたのですが、何か良い変化はありましたか?

辻本:インタビューに行った事に対してはみんな喜んでくださっていたと思います。結果をまとめた成果物も喜ばれていました。

小倉:インターンシップ生や皆さんが来てくださって、インタビューの中での話の内容をまとめてくださったことに対して、「自分が現場で当たり前にやっていたことや受け入れてきたことは、皆から見たらすごいことだったんだ。こんなに良く書いてもらって恐縮です。」みたいな感想がありました。


小倉:改まってインタビューしたことは今までなかったです。私もインタビュー内容を聞いて、センターに対してそんなことを想ってくれていたなんて、と思うこともありました。

井上:ずっと一緒にやってきた小倉さんの心も、ちょっと距離が近づきましたよね。

小倉:より頼りにするようになりました。先日、関係者の大学の先生に、センターのとある冊子作りに協力してもらったんです。これまで専門的なことを深く聞くこともなかったし、冊子に掲載することも念頭になかったですが、インタビューで先生の想いを聞いて掲載したいと思ったんです。先生も、わざわざセンターにきて監修してくださいました。先生との関係性が深まったと思います。

井上:インタビューで自分が言葉にすることで、次にやるべきこと、やりたいことが何となく見えてきました。

小倉:具現化するというのは、やはり大事なんですよね。

辻本:時系列にすることで(関わってきた時間が)長い方ほど、関わりの深さと想いがでていましたよね。お会いしたことがない関係者の方の想いを知ることができたので、実際にお会いしたときにお話しやすいということもありましたね。

沖本:それは、他チームの参加者がインタビューした内容を聞かれてですか?

辻本:そう。他チームそれぞれに特徴があり、発表を聞いて「この人はこういう考えの人なんだ」などがわかり、その後実際にご本人に会うと、勝手に親近感が沸いて接しやすくなりました。向こうは全然知らないと思うけれど。

沖本:初めから想いがわかっていると、より関係性を深めやすそうですね。

Q3.昨年度の研修以降、自然再生センターの他の事業に活かされている研修プログラムのエッセンス(経験、ノウハウ)はありますか?

辻本:最初の研修でまずインプットして、それから実際に体験するというプログラムの流れについて、実際に中高一貫校との畑の事業で、実施前の研修(インプット=授業)をこちらから提案して、実際にそうさせてもらいました。実際学生達にどれくらい効果があったのかはわからないですけど、あのプログラムがあったから、私もそうしようと思いました。

Q4.今後、担い手育成研修を実施したり、研修のエッセンスを他の事業に活かす際の課題や懸念はありますか?

辻本:全体進行(コーディネーター)の役割が大切で、まずそれができる人を育てなければならないのですが、もし職員を研修させようとした場合、今の仕事の流れが崩れてしまうので、その辺が課題だと思います。全体進行役の人が別にいて、センターのフィールドを使って実施するとかだったら良いのですけど、職員がやると言うのは結構負担かもしれないです。

小倉:EPOちゅうごくがその人材を育てるのが、理想的なバランスかも。

西村:昨年度の運営委員会でも、その人材を育てるのがEPOの役割ではないのか?という声が出ていました。

Q5.今後他の事業や担い手育成研修にどう活かしたいか等、展望がありましたらお聞かせください。

小倉:ガバナンスを強化して従業員のキャリア発達視点を充実させ、次に人材育成ですが、日々の業務があるので一人の職員に特化して育成だけをすることはできない。ということは、自分たちが楽しく関わる、そういうのを全部ひっくるめて人材を育成することが出来るのではないかと、最近思うようになりました。

沖本:仕事を一緒にする中でということですか。

小倉:見て学んで自身が気づくことも人材育成。それは多くの外部と関わる事でいろいろ見せてくださり、教えてくださるけど、それをどう捉えるかは自分達なので、そこも人材育成だと思うようになりました。不足を補う人が来るような組織になれば良いのです。そのためには法人が美しくないといけない。そこに働く人が美しくないと、法人が美しくならない。だから研修は自主的に参加するし、人と関わることも好きだし。人材育成とは、そういうことなんだと思っています。

沖本:小倉さんが意識して育てるというよりは、ということですか。

小倉:そうそう。「(背中を)みせる」もしくは「一緒に楽しむ」もしくは「助けてもらう」。業務に関しては厳しいことも言うけれど、信頼関係でちゃんと話ができる日常での関係性づくりが大事ですね。

写真:左から、辻本さん、沖本、西村、井上事務局長、小倉副理事長

この記事の発信者

西村浩美(にしむら ひろみ)

コーディネーター

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