取組紹介

エリア 広島県

【共催事業報告】「女子大生が地域課題にチャレンジ!ローカルSDGsプロジェクト」トークショー&ワークショップ開催

主体
テーマ
方法

<プロジェクト概要>

 2022年度「女子大生が地域課題にチャレンジ!ローカルSDGsプロジェクト」を1年間実施しました。

 本プロジェクトでは、安田女子大学現代ビジネス学科竹下ゼミ生11名が2チームに分かれ、三次市の浄水場に流れ着いたミネラル豊富な天然泥を乾燥、凝縮した土壌改質材・水質浄化材『瀬織』を活用した新商品開発に取り組みました。

 

『瀬織』の詳細はこちら

<プロジェクトの目的>

●ローカルSDGs創出に貢献する:地域資源を活用した地域課題解決策を大学生が企画・実践し、地域のローカルSDGs創出に貢献する。

●大学生が学ぶ(ESD):ローカルSDGs創出に貢献する新商品を企画・実践する機会を通して、就職活動・就職後に活かせる社会経験を積むとともに、ローカルSDGsを学ぶ。

●消費者に広める:ローカルSDGs創出に貢献する商品を企業や個人等の消費者に広め、価値や想いに共感する人を増やす。

<共催>

●生原 誠之氏(生原商店代表)

生原商店では、三次市の浄水場に流れ着いたミネラル豊富な天然泥を乾燥、凝縮した土壌改質材・水質浄化材『瀬織』や、広島県産リサイクル材を使用したコンポストなど、「環境に優しい」をテーマに瀬戸内生まれのサステナブルな商品を取り扱う。本プロジェクトにおいては、大学生に対して生原商店のリソース・情報提供、商品開発の進め方・販売戦略のアドバイスなどを担当した。

●徳岡 真紀氏(三次市議会議員/クラシノワ舎代表)

クラシノワ舎では、里山の自然の恵みから頂く「衣・食・住・お手当」を暮らしに生かし、未来につなげるため、三次市のお母さんたちと活動を行っている。本プロジェクトにおいては、大学生に対して三次市の情報提供、商品開発や販売戦略のアドバイス、またクラシノワ舎のメンバーとともに、商品デザインや制作のアドバイスなどを担当した。

●竹下 智氏(安田女子大学現代ビジネス学科教授)

DX、IT&経営戦略、中小ベンチャー、地方創生を研究。本プロジェクトにおいては、プロジェクトマネジメント、商品開発、販売戦略等でゼミ生の活動をサポート。

●安田女子大学現代ビジネス学科竹下ゼミ3年生11名

4月から2チームに分かれ、学外活動を開始。本プロジェクトで、生原商店の『瀬織』を活用した新商品開発に取り組んだ。Aチームは「捨てられるものに付加価値をつける」点から着想を得て、ペットボトルをキーホルダー等に生まれ変わらせるワークショップを企画し、開催した。Bチームは、山で家畜を自然放牧する「山地酪農」を三次市で営む三良坂フロマージュの使われていない羊毛と瀬織を活用した『土に還るコースター』を制作し、販売した。

●沖本 晴香(EPOちゅうごく/中国地方ESD活動支援センター)

持続可能な社会を構築するため、ローカルSDGs、持続可能な開発のための教育(ESD)の促進に取り組む。本プロジェクトにおいては、プロジェクト全体のコーディネートを担当。

<プロジェクト概要 まとめ>※画像をクリックすると詳細をご覧いただけます。

<年間スケジュール>

◆4~5月
・情報収集
・レクチャー会:生原商店、クラシノワ舎のローカルSDGsな取り組みを学ぶ(協力:生原商店、クラシノワ舎

◆6月
・三次市訪問:三良坂フロマージュのローカルSDGsな取り組みを取材(協力:三良坂フロマージュ
・新商品コンセプト企画

◆7月
・レクチャー会:三次市の魅力や課題を学ぶ(協力:三次市 地域振興部)
・中間報告会:瀬織の制作現場(浄水場)の見学・講義、ゼミ生による新商品アイデアのプレゼン・意見交換会、瀬織染め羊毛作り体験(協力:生原商店、クラシノワ舎、三次市水道局、(株)ウォーターエージェンシー 会場:ハイヅカ湖畔の森)

◆8~9月
・商品設計の決定、商品戦略の策定

◆10月
・試作品製作会:Bチーム考案の新商品の試作品製作(協力:クラシノワ舎 会場:ハイヅカ湖畔の森)

◆11月
・新商品手売り販売:旧ガラスの里で開催されたSDGsイベントにて、Bチーム考案の新商品『土に還るコースター』を手売り販売(協力:(一社)WES 会場:旧ガラスの里)

◆12月
・ワークショップ開催:ショッピングモールで開催されたSDGsイベントにて、Aチーム考案の『ペットボトルワークショップ』実施

◆1月
・最終報告『女子大生が地域課題にチャレンジ!ローカルSDGsプロジェクト』トークショー&ワークショップ 開催

(協力:生原商店、クラシノワ舎、無印良品 広島アルパーク、大学生4名(撮影・取材)
 取材:メディア3社(テレビ局:1、新聞社:1、情報誌:1))

<最終成果物>

◆Aチーム:『ペットボトルワークショップ』

ペットボトルのゴミ問題に着目!新たな付加価値をつければゴミは生まれ変わることができることを伝え、親子世代にゴミ問題について考えていただくきっかけとして開催。

 

◆Bチーム:新商品『土に還るコースター』

コンセプト『日常を彩る(くくる)』。すべて捨てられるものを使って一つずつ手編みした、三次産のサステナブルな商品。三良坂フロマージュの羊の毛をクラシノワ舎のお母さんたちが生原商店の商品『瀬織』で染めた羊毛を使用し、地域活性に貢献。

<イベント概要>

1年間のプロジェクトの集大成として、外部の方を招いて最終報告会を開催しました!

【広報資料(ゼミ生作成)】※画像をクリックすると詳細をご覧いただけます。

 

【イベント名】「女子大生が地域課題にチャレンジ!ローカルSDGsプロジェクト」トークショー&ワークショップ

【日 時】令和5年1月30日(月)13:30~15:00

【場 所】無印良品 広島アルパーク2階 OpenMUJI(広島県広島市西区井口明神1丁目16−1)

【参加者】約20名、メディア3社(テレビ局:1、新聞社:1、情報誌:1)+取材活動をしている大学生1名(取材)

【共催等】
共催:生原商店、クラシノワ舎、竹下ゼミ3年生、EPOちゅうごく・中国地方ESD活動支援センター
協力:三次市 地域振興部 定住対策・暮らし支援課

【プログラム】
13:30~ 開会・オリエンテーション
13:35~ セッション①大学生によるプレゼン
    プロジェクト成果報告
14:00~ セッション②トークセッション
    ローカルSDGs・ESD・協働等について
※同時刻からワークショップ同時開催(ペットボトルキーホルダー制作、かぎ針編み)
14:55~ 閉会

<イベントの目標>

●報告:報告を通して、ローカルSDGs、ESD、協働に取り組む意義を共有する。

●交流:参加者同士、登壇者と参加者の交流により今後の協働のきっかけを作る。

●販売:新商品・既存商品を販売、ワークショップを開催し、消費者にローカルSDGsの取り組みを身近に感じてもらうきっかけを作る。

●発信:メディアに取り上げてもらうことで、ローカルSDGs、ESD、協働に取り組む意義を広く発信する。

<イベントの内容>

イベントでは、本プロジェクトに関する以下の内容を実施しました。
●成果報告プレゼンテーション
●トークショー
●ワークショップ
●これまでの活動の展示
●新商品・関連商品販売

●成果報告プレゼンテーション

《Aチーム報告内容(一部抜粋)》

『瀬織』が捨てられるものに付加価値をつけた商品である点から着想を得て、
親子世代にごみ問題について考えてもらい、ごみは生まれ変われることを伝える機会として、ペットボトルに新たな付加価値をつけるワークショップを企画しました。
ペットボトルをクリスマスツリーやキーホルダーに生まれ変わらせる内容のワークショップをショッピングモールの会場で実施し、2日間でクリスマスツリーは45組、キーホルダーは105組、計150組の親子に参加していただきました。

ペットボトルで出来ることの多さに驚いている親世代の方が多く、次世代であるお子さんにもペットボトル活用の可能性を共有できました。

また、親世代の方のお話を伺い、SDGsに取り組みたいが、どう取り組めばいいのかわからないという実態がわかったのも成果の一つです。

 

 

《Bチーム報告内容(一部抜粋)》

不安と期待を抱え始まったプロジェクト。協力者の皆さまに既存商品や三次市についてや、それぞれの想いを伺い、チームでさまざまな新商品のアイデアを考えました。フィードバックをいただき、最終的にコースターを作成することが決定しました。

多くの商品の中から意識的に私たちの商品を選んでもらい、それぞれの日常を彩って欲しいという想いから、『日常を彩る(くくる)』というコンセプトに。

また、以下のようにコースターをマーケティング(4P)しました。

・Product:三次市の自然資源を使った『土に還るコースター』
・Price:1200円(活動のストーリー性やラッピングの高級感から設定。)
・Place:『神崎 侑里(かんざき ゆり)さん』という具体的なペルソナを設定。
・Promotion:インスタグラムで商品の説明やイベント告知を発信。

三次市の魅力がギュッと詰まった世界にひとつだけのコースターが完成しました!

●トークショー

①登壇者の自己紹介

【登壇者】
・竹下ゼミ3年生 2名(安田女子大学現代ビジネス学部現代ビジネス学科)
・竹下 智氏(安田女子大学現代ビジネス学部現代ビジネス学科 教授)

・生原 誠之氏(生原商店 代表)
・徳岡 真紀氏(三次市議会議員/クラシノワ舎 代表)
・沖本 晴香(EPOちゅうごく・中国地方ESD活動支援センター)

②プロジェクトの成果について

●大学生の学び(ESD)

これまで、授業でSDGsを学ぶ機会があっても、SDGsを身近に感じたことがなかったそうです。
プロジェクトで自分たちがSDGsに貢献する立場になって初めて、自分たちにもできることがたくさんあると気づくことができたので、そのことをいろんな人に伝えたいという想いでプロジェクトに取り組んでくれました。

また地域に赴き、地域で想いを持って活動されている方々と関わることで、これまで目を向けたことのなかった地域の魅力、人の魅力を感じてくれたようです。

座学だけではわからない、地域の魅力や可能性、ローカルSDGsに取り組む意義を感じ取ってくれたことが、ESD(持続可能な開発のための教育)につながりました。

また、企業との協働が、就職活動や就職後に活かせる貴重な社会経験となりました。

●ローカルSDGs創出に貢献 

「ローカルSDGs(地域循環共生圏)」とは、各地域が地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方です。
※「ローカルSDGs(地域循環共生圏)」の詳細はこちら

Bチームが考案した『土に還るコースター』はすべて、三次市の自然資源を使って作られています。

三次市の大自然で、山を利用した循環型の放牧酪農である山地酪農を営む三良坂フロマージュで、
海外の飼料ではなく、なだらかな山に生える草や木の葉、木の実を食べて育った羊の毛を原料にしています。

この羊の毛を、生原商店の『瀬織』で染めています。瀬織は、三次市の浄水場に流れ着いたミネラル豊富な天然泥を乾燥、凝縮した土壌改質材・水質浄化材。もともとその天然泥は多額の費用をかけ処分しており、その過程でCO2を排出していました。

羊の毛を瀬織で染め、紡いで糸にする手仕事は、クラシノワ舎に所属する三次市のお母さんたちが担ってくださいました。
瀬織だけでなく、三次市の里山に生えている植物を使って草木染めしていただいた羊毛も使用しました。

クラシノワ舎の皆さんにコースターデザインのアドバイスをいただき、編み方も教えていただいて、
ゼミ生たちが自分たちの手でひとつひとつコースターを作り、すべて手売りで販売。

売上の一部は生原商店、クラシノワ舎、三良坂フロマージュに分配されたので、三次市の経済活性にも僅かながら貢献しています。また、もともと税金を使って処分していた天然泥を原料にした瀬織を新商品にすることで、三次市のコストカットにも貢献しています。

新商品『土に還るコースター』の企画・製作・販売が、人材や資金が潤沢な都市である広島市と、自然資源が豊かな農山漁村である三次市の間で人材、資金、自然資源が循環する、ローカルSDGs(地域循環共生圏)の創出につながりました。

●協働促進

本プロジェクトにおけるローカルSDGsの創出は、産官学の協働によって実現しました。
ローカルSDGsを創出し、さまざまな地域課題を解決するためには、これまで手を組むことのなかった主体同士が共通の目標を持って協働し、それぞれのリソースを最大限活用することが重要です。

●地域の関係人口創出

プロジェクトを通して大学生や関係者が三次市に足を運び、三次市で活動する方々と交流する過程で三次市の魅力を感じることができ、関係人口創出につながりました。

●地域で活動する方・企業へのプラスの刺激

普段の仕事では関わる機会のない大学生の若い感性、アイデア、エネルギー等、今後の活動に活かせるものを社会人側が吸収することができました。また、既存商品や地域の魅力の発信につながりました。

●ワークショップ

《ペットボトルキーホルダーワークショップ》

Aチームが考案した『ペットボトルワークショップ』をゼミ生主体で開催しました。ペットボトルのキャップを活用し、参加者の方自身のデザインのキーホルダー制作を体験していただきました♪

 

  

《かぎ針編みワークショップ

Bチーム考案の新商品『土に還るコースター』は、クラシノワ舎に所属するお母さんたちに教えていただいた『かぎ針編み』という編み方で、ゼミ生がひとつひとつ手編みで作り上げました。
イベントでは、リップを入れるリップケースをかぎ針編みで制作するワークショップをゼミ生主体で開催し、参加者の方にかぎ針編みを体験していただきました。

●これまでの活動の展示

1年間のプロジェクトで実施したさまざまなイベント(報告会や勉強会)・ワークショップの様子の写真、新商品の素材や最終成果物(ペットボトルキーホルダー、コースター)などを時系列順に展示しました。途中から、Aチーム、Bチームがそれぞれの活動を発展させ分岐した様子も表現されており、ゼミ生の感性に参加者は感心されていました♪

●新商品・関連商品販売

Bチームが考案した新商品『土に還るコースター』をはじめ、生原商店の既存商品をゼミ生主体で販売し、コースターは完売♪
既存商品についてもゼミ生が丁寧にご説明したことで、ローカルSDGs創出に貢献する商品を普及し、関心を持っていただくきっかけ作りになりました。

<プロジェクト参加学生の声>

SDGsを自分ごと化できた

「プロジェクト参加前はSDGsは自分に関係ないと思っていましたが、新商品開発を通して、自分たちにもできることがあると気づくことができました!」

自己成長・自己分析につながった

「企業の方と協働でプロジェクトを進めたことが、貴重な社会経験になりました!
いろいろな力が鍛えられたし、自分の強みや弱みを理解することができました。」

企業の見方が変化した

「プロジェクトを通してSDGsを学んだので、SDGsに積極的に取り組む企業に就職しようと思うようになりました。いずれは、SDGsに貢献できるような仕事がしたいです。」

<プロジェクト協力者の声>

大学生にエネルギーをもらった・関係人口創出につながった

大学生の皆さんからアイデアをいただき、創作メンバーの刺激になりました!また、関係者の方に三次を好きになってもらい、関係人口を増やすきっかけになりました。

協働により大学生が大きく成長した

外部の方と協働で自分たちの考えたものを形にする経験をしたことで、ゼミ生が大きく成長しました!

『企業×大学生』協働の可能性を感じた

地域課題解決に貢献する商品や取り組みを若い世代に知ってもらうきっかけになりました。地域や企業はどこも人手が足りないので、これからは企業と大学生の協働がカギになるのではと感じます。

イベント写真・動画撮影担当(大学生)>

安田女子大学造形デザイン学科の3名が写真・動画撮影を担当してくださいました♪

<プロジェクト概要 まとめ(再掲)>※画像をクリックすると詳細をご覧いただけます。

この記事の発信者

EPOちゅうごく 編集部(へんしゅうぶ)

スタッフ

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