取組紹介

エリア 岡山県

【主催事業報告】中国地方地域ESD拠点ミーティング

主体
テーマ
方法

\中国地方地域拠点ESDミーティング/

2026年3月18日(水)岡山市内で、中国地方地域拠点ESDミーティングを開催しました。

ESD for 2030(ESDを通じたSDGsの達成)を推進することを目的として、中国地方の地域ESD活動推進拠点のパートナーシップや情報交換の場として、また、全国ESD推進ネットワークで取り組んでいる気候変動教育の主流化を目指すために開催しました。

当日は、計12名(地域ESD拠点:現地7名・オンライン1名、REO:1名、EPO:3名)が参加しました。

会議では、各拠点の活動報告、気候変動教育の動向共有、今後のネットワーク推進について活発な意見交換を行いました。


日時:2026年3月18日(水)13:30~16:15
場所:Central Forest 会議室Herb(岡山県岡山市本町6-30 第一セントラルビル2号館 8階)
   ※ハイブリット開催(Zoom)
対象:中国地方地域ESD拠点
主催:中国地方ESD活動支援センター


● 開会、主催者挨拶

横山貴志子 氏/中国四国地方環境事務所 環境対策課 課長

気候変動教育への重点化について、気候変動にフォーカスを置く政策を実施しており、環境省の政策として、ESD推進ネットワーク事業を推進し、気候変動対策における地域社会の関与と持続可能性と、各拠点との連携の重要性について、挨拶がなされました。


〇セッション1「地域ESD拠点の活動共有」

山口慶子 氏/島根県立しまね海洋館アクアス 魚類展示課 課長

平成28年(2016年)からESD拠点として活動開始。環境教育指導者研修会を開催し、地域の海・山・川の持続性をテーマに実施し、研修会終了者で「いわみっこ大作戦」という環境教育実践チームを結成。
その後、地域との対話を深める場として「SDGsカフェ 集まれ!海の仲間たち(あつうみ)」を開始。地域の持続可能な漁業や海の活用について、現場で実際に携わっている人々と参加者が楽しみながら意見交換できる場となっている。


福田憲一 氏/公益財団法人水島地域環境再生財団 副理事長

2000年に患者からの支援を受けて設立された財団で、安全と健康な環境の再生を目的としている。
• 工業専門学校の2年生全4クラスに対し、マイクロプラスチックに関するワークショップを実施
• 将来ものづくりや研究者を目指す学生に、大気汚染や製品設計の観点から環境問題を考える機会を提供
• 高校生向けの「ラーニングカフェ」では、企業経営者との対話を通じて進路選択を支援


池田満之 氏/岡山市京山地区ESD・SDGs推進協議会 会長

昨年20周年を迎えた地域拠点で、公民館を中心に活動を展開している。
• 当初は市民主導だったが、現在は公民館や高校が非常に積極的に参加
• 時代の流れの中で関わる組織の役割が変化しながらも、地域全体で取り組む姿勢を維持
• 小学校、中学校、高校、大学、図書館、生涯学習センター、企業、町内会など地域の多様な主体が参加
• 環境点検冊子を作成し、地域の環境を「見える化」(第6版まで発行、累計で万単位の売り上げ)
• 蛍の復活プロジェクト:岡山理科大学と連携し、地域住民が各家庭で蛍を育て、川に放流する取り組みを実施(3月7日に放流実施)
• LED照明が蛍に与える影響について課題提起:蛍はLED光を避けて暗い場所で光っている様子が観察され、防犯とのバランスを考慮した照明選択(黄色やオレンジ系LED)の必要性を指摘
• 高校生・大学生が中心となった活動が活発化:防災ゲームの開発、プラスチック資源再利用キャンペーン、高齢者へのスマホ教室など
• 毎日新聞社のキャンペーンで400,000円の賞金を獲得し、啓発活動に活用


藤クリーン株式会社 葛原敬志 氏

建物解体工事事業を主な業務とし、解体からリサイクルまで一貫した事業活動を展開し、地球資源の保全と持続可能な社会の実現を目指している。
岡山市SDGs推進パートナーズとしても活動しており、売り上げの一部を環境教育やSDGs推進に活用し、具体的には、リサイクルセンターやプラスチック資源循環センターの見学受け入れ、学校への出前授業、インターンシップの実施などを通じて、地域住民や学生に資源循環の重要性を啓発している。 ​


楢原申士 氏/岡山地域「持続可能な開発のための教育」推進協議会 主査

岡山ESD推進協議会は、2005年に発足し20周年を迎える協議会で、現在49団体が参加おり、SDGsとESD(持続可能な開発のための教育)の推進を目的に様々な活動している。
• 小学校、中学校、高校で出前授業を実施
• 大学生向けインターンシッププログラムの提供
• 「ESDカフェ」:30人程度の少人数でテーマ別ディスカッションを実施(年4回開催)
• 個人ライセンスプログラム(ESDコーディネーター養成):全4回の研修を実施し、受講者が後に講師側に回る循環型の人材育成
• 年1回のフォーラム開催、ESD岡山アワード(国内と国際的な活動の表彰と発信) など
 ​これらの活動を通じて、地域や国際的な持続可能な社会の実現を目指している。今後5年間は気候変動対策に重点を置く方針。


柏原拓史 氏/公益財団法人岡山県環境保全事業団 環境学習センター「アスエコ」 所長

3年前にイオンモール内に移転し、年間20,000人の来館者がある環境学習施設。商業施設という多くの人が訪れる場所に位置することで、幅広い市民に環境教育の機会を提供している。
 <5つのゾーン:小学生親子の対話を重視したプログラム設計>
 ① 選ぶ未来(SDGs・ESD展示、地域団体との連携)
 ② オーガニックコットン紹介
 ③ 体験型展示
 ④ スマートな暮らし(EVなど)
 ⑤ 地球の仲間(生き物展示) など
また、出前授業など各種環境学習プログラムの提供や企業との連携による環境教育活動も実施している。

 


松原裕樹/特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター 事務局長

個々の活動分野で活動するNPOとは異なり、中間支援組織として機能しており、主に市民活動支援、地域活動支援を行っている。
・市民サミットの開催: 市民の参加を促進する交流会を継続的に実施
・ESD活動の推進: ESD拠点間の連携や気候変動教育などの動向を共有・検討
・地域課題と国際社会課題の連携強化: 若者の流出対策や地域の問題解決に取り組む
・ネットワーク構築: 各拠点・関係団体との連携を強化し、ESD活動の情報発信や交流会の運営を継続して実施している。


〇セッション2「ESD×気候変動教育の動向」

松原裕樹/中国地方ESD活動支援センター 事務局長

全国のESD推進ネットワーク事業における気候変動教育の重点化について、2023年から環境省・文部科学省が、気候変動教育を重点テーマに2027年度から3年間の新しい政策として、パートナーを学校、自治体、市民団体の3つの主体に絞って、高校を主な対象とした気候変動教育を、地域ESD拠点、ビジネスセクター(企業)、社会教育施設などとの連携によって推進する方向性について説明。

鳥取県の北栄町は、人口14,000人の小規模自治体で、10年以上にわたり脱炭素活動を実施しているので、事例として紹介。

【北栄町での取組】
・町民自身が互いの活動を取材し、他の町民に伝える仕組みを構築
・町長へのインタビュー、地域新電力、薪ストーブ導入家庭の生活変化など、数値だけでなく「暮らしがどう豊かになるか」を可視化
・中学生や大学生も情報発信に参加 など
地域づくりのプロセスの中で、ESD的な学び合いと行動変容を実現している。

また、各地域の地方ESDセンターが地域拠点と連携し、気候変動教育のモデル的取り組みを試行中。
北海道では動物園をテーマにした活動なども実施されていることを紹介しました。


〇セッション3「ESD for 2030 に向けた意見交換」

気候変動対策の実施における地域社会の関与と持続可能性について議論しました。
学校や地域などの組織を活用した継続的な取り組みの重要性を強調。環境教育の分野における文科省の責任範囲と、地域社会教育の連携方法についても検討されました。

継続性と仕組みづくりの重要性
・自分事として関心を持てないと人ごとになってしまう。
 知る→関心→やる気→実践→継続のプロセスが重要
・具体的な目標設定と成果の可視化が必要。何がどれだけ変わったのかを共有できる仕組み
・学校や町内会など継続性のある組織を活用することが有効
・みんなが取り組める共通の目標があり、成果を発表し合い、改善していける仕組みが不可欠

地域拠点との連携強化の重要性
・各ESDセンターが地域拠点と連携した、モデル的取り組みの試行
・取り組みの可視化と相互参照の仕組みづくり
・学習者の変容、指導者の変容、ネットワークの変容、仕組みの変容など、多面的なアプローチ

中国地方地域ESD活動拠点ミーティングの継続
・定期的な情報共有と学び合いの場として継続開催
・次回は別の拠点(例:島根海洋館アクアス)での開催も検討
・各拠点の実践から学び合い、地域のESD活動を深化させる

ユース世代へのアプローチ(課題)
・ユース向けイベントの参加者集めが最も難しい
・「気候変動」だけのテーマでは参加しようと思ってもらえない
・探究学習の全員実施により、以前の意欲的な生徒中心から全生徒対象へと変化
・学習の濃淡が大きくなる中で、EPO/ESDセンターとしての役割を再考する必要性
・企業・新入社員研修との連携可能性

などなど…


川上莉佳 氏/岡山地域「持続可能な開発のための教育」推進協議会 主事


本ミーティングは、中国地方地域ESD活動推進拠点の現状を出席した各拠点の担当の皆さまと共有し、環境省の政策動向を踏まえた今後の方向性を確認する重要な機会となりました。

各拠点が直面する課題を共有しながら、地域の特性を活かした持続可能な教育活動の展開に向けた連携強化の必要性が確認されました。

以上

この記事の発信者

西村浩美(にしむら ひろみ)

コーディネーター

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