【環境トピック】平成28年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について 中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)

【環境トピック】平成28年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について

「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和63年法律第53号)」に基づき、平成28年度におけるオゾン層の状況、オゾン層破壊物質等の大気中濃度等に関する監視結果を年次報告書として取りまとめました。

【報告書の概要】
① オゾン層の状況
地球規模のオゾン全量は、1980年代から1990年代前半にかけて大きく減少しました。その後減少傾向が緩和し、1990年代後半からはわずかな増加傾向がみられるものの、1970年代と比べて現在も少ない状態が続いています。
南極域の春季に形成されるオゾンホールの規模は、1980年代から1990年代半ばにかけて急激に拡大しました。ところが、1990年代後半以降では、年々変動による増減はあるものの、長期的な拡大傾向はみられなくなりました。しかし、その規模は依然として大きい状態が続いています。
札幌、つくば、那覇および南鳥島で観測された日本上空のオゾン全量は、札幌とつくばでは主に1980年代から1990年代半ばまで減少傾向が現れていました。その後、1990年代後半以降には各地点とも増加傾向となっていましたが、2016 年は近年の増加傾向と異なり、4地点全てで大きく減少しました。
地球規模のオゾン全量が1960年(人為起源のオゾン層破壊物質による大規模なオゾン層破壊が起こる前)レベルまで回復する時期は、北半球の中・高緯度域で2030年ごろ、また南半球中緯度(南緯35度~南緯60度)では2055年ごろと予測されています。一方、南極域の回復はほかの地域よりも遅く、1960年レベルに戻るのは21世紀末になると予測されています。また、また数値モデル予測からは、オゾン層の回復には、温室効果ガスの増加による成層圏の低温化並びに気候変化に伴う大気の循環の変化が影響を与えることが示唆されています。

② オゾン層破壊物質等の大気中濃度
●北半球中緯度域(北海道の観測地点)では、CFC(クロロフルオロカーボン)の大気中濃度は減少し始めています。また一方で、HFC(ハイドロフルオロカーボン)は近年急速に増加しています。HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)も近年増加し続けていましたが、一部の冷媒種は近年その増加はゆるやかになっています。
●日本の都市域の代表例として川崎市内で連続測定したCFCの大気中濃度は、次第に変動幅が小さくなるとともに、北海道における大気中濃度とほとんど変わらなくなってきています。変動幅の縮小や濃度の低下には、日本における生産の全廃および排出抑制などが進んだ結果が反映されていると考えられます。一方で、HCFCおよびHFCは、近年やや放出量が減少する傾向を示しているものの、依然として頻繁に高い濃度で検出されています。このことは、これらの物質は現在も多方面で利用されていることや、過去に製造・充填された機器装置等から大気中に放出されていることが反映されていると考えられます。
●オゾン層を破壊するCFCの生産と消費は、モントリオール議定書に基づいて先進国では1995年末までに、途上国では2009年末までに全廃されました。しかし、大気中寿命が非常に長いため、今後、CFCの大気中濃度は極めて緩やかに減少していくと予測されます。一方、CFCと比べるとオゾン層破壊係数の小さいHCFCについては、同議定書の規制スケジュールに従って生産・消費の削減が進められている途中段階にあり、HCFCの大気中濃度は引き続き増加するが、今後20~30年でピークに達し、その後減少すると予測されています。

今後は、オゾン層の破壊の状況や大気中におけるオゾン層破壊物質等の濃度変化の状況について引き続き監視していきます。また、オゾン層保護法に基づくオゾン層破壊物質の製造数量の規制等の取り組みを着実に実施していきます。HFCについては、今後大幅な排出増加が見込まれており、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」に基づき、フロン類の回収および破壊の徹底に加え、新たに、フロン類およびフロン類使用製品の製造段階、業務用冷凍空調機器の使用段階におけるさらなる対策の推進を図っていきます。

【詳細・参考リンク】
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平成28年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書全文

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