【環境トピック】新型コロナウイルス感染症対策における市民の自発的な行動変容を促す取組(ナッジ等)の募集について(結果) 中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)

【環境トピック】新型コロナウイルス感染症対策における市民の自発的な行動変容を促す取組(ナッジ等)の募集について(結果)

環境省では、産学政官民連携・関係府省等連携のオールジャパンの体制による日本版ナッジ・ユニットBEST(Behavioral Sciences Team)の事務局として、ナッジ(英語nudge:そっと後押しする)やブースト(英語boost:ぐっと後押しする)を含む行動科学の知見に基づく取組が早期に社会実装され、自立的に普及することを推進しています。
このたび、行動変容に資する啓発を基本的対処方針の重要事項に掲げる新型コロナウイルス感染症対策に関して、ナッジ等による市民の自発的な行動変容を促す取組を募集し、行動経済学や社会心理学等の行動科学の有識者による審査を実施した結果、優良事例を1件選定しましたので、お知らせします。

1. 審査の結果
以下の(1)のフィジカル・ディスタンシングに係る取組が優良事例として選定されました。

(1)実施主体:東かがわ市立引田小中学校
引田小学校画像
(写真左から「わたし・ぶり・ぶり・あなた」の合い言葉、廊下の掲示、階段の掲示)

・ 取組内容:地元名産「引田ぶり」を用いたソーシャルディスタンス啓発
・ 実施場所:東かがわ市立引田小中学校(香川県東かがわ市)
・ 自薦・他薦の別:自薦
・ 取組概要

★人と人との距離の目安(2m)を特産の「引田ぶり」2尾分で表して低学年の児童にもわかりやすくしている。
★人の往来が多く、目につきやすい場所に設置している。
★「引田ぶり」養殖発祥の地であり、毎年の初出荷式には小学3年生が参加するなど、普段から地元の住民の愛着や親しみがあって、ふるさとを感じることのできる魚を用いることで、新型コロナウイルス対策に対して必要となる行動への理解や意識の醸成を図っている。
★「わたし・ぶり・ぶり・あなた」を合い言葉として印象付けをしたところ、取組を始めた日から「ぶり、ぶり」や「ぶり間隔」といった言葉が児童・生徒や教職員から出るようになった。
★コミュニティの特性に配慮しながら、コミュニティの構成員に受け入れられやすいナッジになるように改良が加えられている。
★他の地方公共団体にとっても、自らの地域の特産品等で代替することにより同様の取組を行うことができ、波及効果や他地域への展開可能性の高い取組である。

なお、以下の(2)については、募集時にすでに多くの事業者が同様の取組を実施していたため、取組内容のみ記します。また、地方公共団体等が実施している取組についても応募がありましたが、すでに類似の取組が他の地方公共団体等で実施されているため、参考として以下のリンク先の資料に整理しています。
<http://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge/COVID-19_r.pdf>

(2)実施主体:Eコマース事業者や飲食店等
・ 取組内容:宅配や出前で置き配を選択できるようにし、わかりやすく提示すること

2.応募全般に対する主な有識者のコメント

オリジナリティ溢れるものが多く、何よりも社会実装したという点で素晴らしい
目指す意識変革や行動変容が何であるのかを明確にする必要がある
良いと思うのでやってみた、ではなく、なぜ良いと思ったのか、なぜそれで人を動かすことができると考えたのか、背後にある行動科学の知見やメカニズムを明確にすること
特に評価の高かった(上記の)取組は、既存のナッジをそのまま活用するのではなく、地域等のコミュニティの特性を配慮しながら、コミュニティの方々に受け入れられやすいナッジになるように改良が加えられている、という特徴があった
ナッジの効果には文化差があり、ある地域で効果が確認されたナッジを別の地域に適用しても、必ずしも同様の効果が確認されるわけではないことが知られており、既存のナッジの知見を活用する際に、それぞれの現場の特性に即するように調整を加えることが重要である
現場の特性に即したナッジの実践事例が増え、その結果として、現場に深く根付くナッジが増えることを期待する

3.取組の効果について

募集に当たっては、効果の測定は必須としませんでしたが、日本版ナッジ・ユニット連絡会議では、新型コロナウイルス感染症予防に対するナッジ等の効果について議論をしています。例えば石鹸手洗いを促進するナッジについては、感染予防に加え、エネルギー起源CO2排出削減にも貢献し、その削減量は、「ナッジにより感染を回避する人が感染した場合の医療行為に伴うCO2排出量(主に換気等に伴うエネルギー増加分相当)」と「感染を回避する人が日常生活を送る際に発生するCO2排出量」の差分に近似されます。上記の事例のうち(3)については、再配達により発生するCO2排出量や労働時間の削減に寄与するものです。また、上記の取組を含め、実施に要する費用がわずかであることが多く、感染した場合に発生する医療費の削減分も考慮すれば、費用対効果の高い取組であるとの指摘もなされています。詳細については、今後の日本版ナッジ・ユニット連絡会議での議論を経て、紹介することとしています。

【連絡先】
環境省地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ライフスタイル推進室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8341

 

【詳細・リンク】
http://www.env.go.jp/press/108269.html

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