【環境トピック】平成29年度 大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果について 中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)

【環境トピック】平成29年度 大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果について

環境省では、国内外の水銀対策に資するため、国内の発生源による影響を直接受けにくい地点(バックグラウンド地点)である沖縄県辺戸岬及び秋田県男鹿半島において、水銀の大気中濃度等のモニタリング調査を実施しています。

平成29年度の調査においては、辺戸岬及び男鹿半島における大気中水銀濃度及び降水中水銀濃度は、指針値等を十分下回るとともに、これまでの調査結果と大きな乖離はありませんでした。

また、辺戸岬では、水銀以外の大気中金属濃度についても調査を行ったところ、水銀と同様に、これまでの調査結果と大きな乖離はなく、指針値が設定されている金属元素については、その指針値を十分下回る値でした。

【背 景】
環境省では、国内外の水銀対策に資することを目的として、国内の発生源による影響を直接受けにくい沖縄県の辺戸岬において、平成19年度より水銀の大気中濃度(バックグラウンド濃度)等に関するモニタリング調査を行い、平成22年度以降は、毎年その結果を公表しています。また、平成26年8月からは、秋田県の男鹿半島においてもモニタリング調査を実施しています。

【調査概要】
(1)水銀の形態別測定及び粒子状物質中の水銀以外の金属の測定について
大気中の水銀には多くの種類(形態)が存在し、その大部分を占める元素状水銀(金属水銀)のほか、酸化態水銀、粒子状態で浮遊する水銀(粒子状水銀)等の形態があります。こうした様々な形態の水銀は、大気中において異なる挙動を示すことが知られています。

本調査では、国際的な水銀の排出状況及び濃度レベルの推移、それらが我が国の環境に及ぼす影響の把握等に資することを目的に、国内の発生源による影響を直接受けにくい地点(バックグラウンド地点)である沖縄県の辺戸岬において、大気中にガス状で存在する金属水銀及び酸化態水銀、並びに粒子状水銀の濃度と、降水中の総水銀濃度について測定を実施しました。あわせて、大気中水銀濃度や降水中水銀濃度の変化傾向を確認するため、大気中粒子状物質中の金属類等についても測定を行いました。

また、北日本における水銀バックグラウンド濃度を測定するため、秋田県の男鹿半島においても形態別水銀と降水中水銀濃度の測定を実施しました。

(2)測定地点
沖縄県辺戸岬
国立研究開発法人 国立環境研究所 辺戸岬 大気・エアロゾル観測ステーション
(沖縄県国頭郡国頭村大字宜名真)

秋田県男鹿半島 秋田県船川測定局隣接地
(秋田県男鹿市船川港船川字泉台)

(3)測定方法、調査項目及び測定頻度
大気成分については、形態別水銀連続測定装置を用いて測定を行いました。

降水成分については、降水捕集装置により試料を採取し、米国環境保護庁(EPA)が定める方法に準じて濃度分析を行いました。

詳細はこちら>> http://www.env.go.jp/press/105997.html

【調査結果の概要】
(1)大気中水銀濃度
大気中の形態別水銀の合計の年平均値は、辺戸岬において1.6ngHg/m3、男鹿半島において1.6gHg/m3であり、環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値(指針値。年平均値40ngHg/m3)を十分下回る値でした。

また、大気中の水銀は、そのほとんどが金属水銀であり、酸化態水銀及び粒子状水銀は平均で1%未満でした。
辺戸岬における形態別水銀の合計の濃度及び形態別の水銀濃度の年平均値は、概ね横ばいで推移していました。

(2)降水中水銀濃度
平成29年度の辺戸岬における降水中の水銀濃度の年平均値は4.8ngHg/Lでした。降水中の水銀については指針値等が設定されていませんが、参考として、水銀に関する水道水の水質基準値である500ngHg/Lと比較すると、測定値は十分低い値でした。

なお、降水中水銀濃度の分析手順は、「平成27年度有害金属モニタリング調査検討会」の議論を踏まえ、平成28年度から新しい手順に変更しました。(この新しい手順による測定値は、比較試験の結果、従来の手順による測定値に比べ1.3~1.4倍程度高い値となっていることが確認されています。

(3)大気中粒子状物質における水銀以外の金属元素の濃度
本モニタリング調査では、水銀の発生源・挙動等を解析するため、大気中の粒子状物質に含まれる、又は粒子状物質に吸着した、ニッケル、ヒ素、鉛、カドミウム等の金属元素(有害17成分、指標6成分)の濃度を、辺戸岬において測定しています。

辺戸岬におけるニッケル、ヒ素及びマンガンの平成29年度の年平均値はそれぞれ0.98ngNi/m3、0.73ngAs/m3、4.0ngMn/m3であり、いずれも環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針値(年平均値 ニッケル25ngNi/m3、ヒ素6ngAs/m3、マンガン140ngMn/m3)を下回る値でした。

また、同指針値が設定されていない鉛、カドミウム及びクロムについては、平成29年度の年平均値はそれぞれ2.9ngPb/m3、0.11ngCd/m3、0.91ngCr/m3でした。

鉛とカドミウムについては、測定開始以来最も低い値、ヒ素については、二番目に低い値でした。また、ニッケル、マンガン及びクロムについては、平成28年度よりもやや高い値でした。

詳細はこちら>> http://www.env.go.jp/press/105997.html

【今後の対応】
本モニタリング調査のデータは、アジア太平洋地域における大気中の水銀の状況についての基礎資料として重要であり、また、水銀に関する水俣条約の有効性評価にも資することから、今後も継続的にモニタリング調査を実施し、広く国内外へのデータの提供や結果の発信を行う予定です。

【添付資料】
平成29年度 大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果について(別添) [PDF 4.1 MB]

【過去の報道発表】
平成29年9月19日
平成28年度 大気中水銀バックグラウンド濃度等のモニタリング調査結果について

【連絡先】
環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課水銀対策推進室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8260
環境省大臣官房環境保健部環境安全課
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8261

【詳細・リンク】
http://www.env.go.jp/press/105997.html

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