【島根県】こども版オロチの深山きこりプロジェクト 中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)

【島根県】こども版オロチの深山きこりプロジェクト

◆見学日
2013年11月15日

◆主催者
奥出雲町オロチの深山きこりプロジェクト実行委員会

◆概要
人工林が約6割を占める島根県奥出雲町。森林整備と地域経済の活性化を目的に、地元林業研究グループ、森林組合等で2012年に「オロチの深山きこりプロジェクト」を発足させました。このプロジェクトは今、全国に広まっている「木の駅プロジェクト」が原型になっています。
今回は、地域の小学生へ森林保全の重要性を伝えるため、自分達で間伐した木を搬出する「こども版オロチの深山プロジェクト」が実施されました。

森の手入れの大切さを学ぶ

今回、「こども版オロチの深山プロジェクト」を体験するのは、奥出雲町立鳥上小学校の5,6年生。最初に、教室でプロジェクトの事務局を担当しているNPO法人もりふれ倶楽部の野田さんより、奥出雲町の森の状況や実施中のプロジェクトについて説明を受けました。

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説明は人々と森の関わりあいの歴史から始まります。かつて雑木は薪や炭として盛んに利用されていましたが、ガスや電気の普及とともに利用が減少。そこで山の持ち主たちは住宅建材となるスギやヒノキの植林を推し進めますが、外国から輸入される安い材木の影響でどんどんと値が下がってしまい、徐々に山が放置されてしまいました。

手入れをしていない森と間伐をした森の写真が紹介されました。うす暗く、下草も生えていない森と光が差し込み、枝が勢いよく伸びている森。人間が適切に手を入れることで森が元気になるのだと教わりました。しかし一方で、山の持ち主は整備をしたくても思うようにできない実情や、国や県が整備を行っているものの、結局それは私たちの税金で賄われているなど課題があります。

こうした現状を踏まえてプロジェクトの説明に移ります。
これまで、山から木を伐り出して出荷するには専門的な技術や機材が必要で、一般の人が気軽に行うことはできませんでした。そこで、軽トラックでも搬入できるルール(木のサイズ)にして、ちゃんとご褒美がもらえる仕組みを作りました。奥出雲町では町役場と協力し、“木の駅”(集積場)に持ち込まれた間伐材は地域内で使える商品券と交換されます。間伐材はチップに加工され、町内の温泉施設等で燃料として使われます。このプロジェクトでは安全面を考え、一般の人がチェーンソーを使いこなすための技術研修もしっかり行っているそうです。

お話の最後に、森が元気になると、そこから流れ出す川が元気になり、海が元気になるということを教わりました。島根県が誇る宍道湖では名産のシジミが減少しているのですが、湖に流れ込む斐伊川の環境があまり良くないことも一因だと言われています。川の上流域だけの問題でも、下流域だけの問題でもなく、みんなで考えていかなければならないことなのだと強調されていました。

力を合わせて木を伐り出す

朝から降っていた雨もなんとか上がり、子ども達はバスに乗り込み、間伐体験を行う森林へ向かいました。今回は仁多郡林業研究グループメンバーの響さんの森へお邪魔しました。

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軍手とヘルメットをして準備は万端。まずは、山のプロたちが木を倒すお手本を見せてくれました。チェーンソーを使い、木の根元に倒すための切り込みを入れます。あっという間に目の前の木が倒れる姿は圧巻。いよいよ、子ども達の番です。同じように木の根元に切り込みを入れてもらった後は、幹に巻きつけたロープを全員で力を合わせて引っ張ります。木がきしみながら倒れていく姿に子ども達から歓声が上がりました。

①

さて、木が倒れたところで今度は搬出のために1人1本のこぎりを持って木を伐ります。のこぎりを使い慣れてない子も多く、なかなかうまく伐ることができません。奥出雲町では搬出の条件として木の長さを50cm以上のスギ、ヒノキ限定に定めています。

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伐った木は林内作業車に詰め込みます。雨上がりでドロドロになりながらも、一所懸命に協力して運んでいました。

 

⑤
林内作業車に乗せた木を軽トラックに移し、出荷場所である間伐材流通センターへ移動しました。入口でまず、トラックごと重さを測ります。その後、別の場所へ移動して木を降ろし、帰り際に空のトラックの重さを測ることで何トンの木を出荷したのかがわかる仕組みです。軽トラックから力を合わせて木を降ろしたところで、今回のプロジェクトは終了です。

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プロジェクトを終えた子ども達に感想を聞きました。
・みんなで協力してできたのが良かった。
・のこぎりで伐るのが大変だったけど、伐れて良かった。
・木が重かった。
・山の中は木が高くて自然がいっぱいだった。

なお、今回、参加してくれた小学生たちには商品券の代わりに文房具が後日届けられるとのことでした。子ども達にとっては大変な作業でしたが、みんなと一緒にやり遂げたという満足感のある表情がとても印象的でした。

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◆ここがポイント
①子ども達が木の駅プロジェクトを体験
全国各地に木の駅プロジェクトは広まっていますが、環境学習のプログラムとして子ども向けに行っているのは全国でもまだ珍しい事例です。
②地域内の関係者が連携
オロチの深山きこりプロジェクト実行委員会メンバーである、仁多郡林業研究グループ、仁多郡森林組合、NPO法人もりふれ倶楽部、奥出雲町、島根県東部農林振興センター雲南事務所が協力し、今回のプログラムが実施されました。

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