【岡山県】バイオマスツアー真庭 中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)

【岡山県】バイオマスツアー真庭

◆参加日
2013年9月18日

◆主催者
一般社団法人真庭観光連盟

◆概要
元々、林業・木材産業が盛んだった岡山県真庭市で、1993年頃から地元事業者が中心となりバイオマスへの取り組みがはじまりました。2005年以降、地球温暖化への関心の高まりとともに全国からの視察が殺到。市は事業者への負担を減らすとともに、観光への波及、バイオマスによる地域づくりの発信のため、「バイオマスツアー真庭」を開始しました。2009年からは一般社団法人真庭観光連盟が運営母体となり、関連企業などと連携してバイオマスタウン真庭を巡るツアーを実施しています。

「バイオマス」が観光ツアーに

この日は月に1度の「バイオマスツアー」個人・小グループの日。岡山県真庭市役所本庁舎に29名の参加者が集まりました。1名~4名程度の小グループが全国から集まり、真庭市内のバイオマス関連企業などを巡ります。

真庭市役所。正面の回廊が印象的。

真庭市役所。正面の回廊が印象的。

ツアーバスに乗り換え、最初に向かったのは真庭市三田「木の駅」勝山木材ふれあい会館。ここで市役所のバイオマス政策課の方より真庭市におけるバイオマスタウン構想の概要について説明を受けました。市役所にバイオマスの担当課があるというのが驚きです。
真庭市は岡山県北部中央に位置し、人口約5万人、市内の森林面積は約8割と大変自然豊かなまちです。真庭では木材を燃料とした「たたら製鉄」に始まり、戦後の西日本の木材需要を支えた「製材業」など、森林の恵みを受けて生活してきました。しかし近年、木材市場は低迷し、林業や製材業を取り巻く環境は厳しくなっています。産業の低迷、さらに高速道路建設により町が通過点になってしまうのではいう危機感から、1993年、地元の若手経営者や各方面のリーダーたちが中心となり「21世紀の真庭塾」という組織を立ち上げました。主要テーマを「町並み景観保存」と「循環型地域社会の創造」に定めて勉強会を重ね、そこから現在のバイオマスタウンの推進へとつながっていきました。真庭の取り組みの特徴は、民間主体であること、地域をあげたバイオマスの取り組みと連携が行われていること、持続可能な地域産業の発展を目的としていることなどがあげられます。これらを通じて森林(里山)保全の活性化も図られています。

「木の駅」勝山木材ふれあい会館

「木の駅」勝山木材ふれあい会館

トータルに木材を使う

午後、まず訪れたのが木質ペレットの製造、木質バイオマス発電を行っている銘建工業株式会社本社工場です。集成材の製造を主に行っている本社工場では、おがくずやかんなくずなどの大量の製材廃材が出ます。それらをバイオマス発電の燃料として工場内で活用するとともに、一部を木質ペレットに加工し販売しています。銘建工業の木質ペレットは市内の大型施設の空調や温水プールなどにも導入されており、エネルギーの地域内循環につながっています。また、以前はあまり有効活用されていなかった端材や樹皮をバイオマス発電に利用することで、廃棄コストがかからなくなった上、工場や事務所内の電力をすべてまかなっています。「トータルに木材を使う」という言葉がそのまま実践されていました。

ペレット工場造粒機

ペレット工場造粒機

次に真庭バイオマス集積基地を訪れました。2008年度に林地残材や製材所で発生する端材、樹皮を利活用することを目的に真庭市木材事業協同組合が主体となり建設しました。ここでは素材生産者や山主などの市民によって持ち込まれた未利用材を原料や燃料として加工しています。木材の種類によって買取価格は異なりますが、ちょっとしたお小遣い稼ぎもになっているそうです。

木材がちょうど持ち込まれていた

 

説明を真剣に聞く参加者

真庭市には30社あまりの製材所があり、その中のひとつ、山下木材株式会社を訪れました。こちらでは、製造工程で出る木くずはすべて、蒸気ボイラの燃料源として利用しています。蒸気ボイラで木材を十分に乾燥させることにより、優れた品質の製品が製造されます。このように真庭では地域内関係者の連携によりエネルギーの地域内生産、消費が拡大し、CO削減にもつながっています。

木質バイオマスボイラ

木質バイオマスボイラ

ツアーの最後は、再び真庭市役所本庁舎に戻ってきました。平成23年にできたばかりの本庁舎は真庭産の木材を家具、内外装材などにふんだんに活用し、木のぬくもりあふれる建物になっています。もちろん空調には木質バイオマスボイラを使用。チップボイラをメインとして利用し、バックアップ用にペレットボイラを利用しています。メイン、バックアップとともに木質バイオマスを利用しているのは日本では真庭市だけ、と説明してくれた市の担当者は誇らしそうに話してくれました。1年間のランニングコストも重油と比べ、3分の2程度に抑えられているそうです。市ではこれらのボイラ導入によって削減されたCO2排出削減分を国内クレジットとして売却するプロジェクトをはじめ、売却益を利用して企業等と連携した森林整備に取り組んでいます。

中にバイオマスボイラがあり、ガラスに説明が書かれている

バイオマスツアーは、詳しく知りたい人向けの「視察コース」と興味のある人向けの「体験学習コース」に分かれており、今回まわったところ以外にも木質バイオマス燃料利用施設(温水プール施設、地域福祉センターなど)やバイオディーゼルの製造・利用現場、森林育成の現場など様々な見学先があり、リピーターも多いそうです。
2012年4月からはツアーで発生するCO2排出量をオフセット(埋め合わせ)する、カーボンオフセットを開始しました。平成27年4月運転開始をめざしたバイオマス発電所の建設も進められており、ますます真庭市の取り組みが注目されます。

◆真庭市のここがポイント
①民間主体のバイオマスタウン
民間から始まった取り組みは行政や大学・研究機関を巻き込み、新たなバイオマス産業を創出しています。

②地域内の関連企業が連携
真庭地域には森林資源、原木市場、製材所、製品市場すべてが揃っており、各産業が連携し合い、バイオマス資源の有効活用に取り組んでいます。

③森林や里山の整備に還元
国内クレジット売却益などを活用して、官民と住民が一体となった森づくりを行っています。

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